いま日本で謎の死が増えている――。コロナ禍以降、有名人が癌で亡くなるニュースが相次ぎ、癌の死亡者数が急増しているのはなぜなのか。効果が疑わしいワクチンや無意味な医療を、国や医療界が推奨し続ける背景には何があるのか。日本の医療界に潜む巨大な闇に、地域医療で奮闘する在野の医師がメスを入れる正義の一冊!6月5日発売の新刊『何かがおかしい 「がん急増」の謎』より抜粋・再編集して、内容の一部をお届けする。
『何かがおかしい 「がん急増」の謎』連載第16回
『コロナワクチン接種開始後に「老衰」で亡くなる人が急増…不自然すぎる増加の陰に隠れた“本当の死因”』より続く。
よくわからない死因で亡くなる高齢者が増えた
ほか、「コロナで亡くなった方が、老衰にカウントされている」という反論もあるかもしれませんが、これはあり得ません。
「コロナで亡くなられた方」については、かなり厳密に報告することになっているので、基本的に「老衰」には含まれていません。なので、「コロナ死急増」で「老衰」が増えたという可能性はかなり低いです。
もう一つ別の理由もあります。
コロナ禍では、患者さんがコロナに感染した場合、在宅医療の患者さんでも、いったん病院へ送ることがルール化されました。なので、コロナ禍以降「在宅死」が難しくなったのです。
ちなみに、私は従来通りできるだけ在宅医療で対応しました。同様に対応した在宅医療の医師もいたでしょうが、コロナに感染した患者さんの対応は病院に任せた在宅医もたくさんいたはずです。
なので、コロナ禍によって、むしろ「在宅死」の数には、下押し圧力がかかっています。普通なら「老衰」は減っていても不思議ではないのです。
要するに、「老衰の急増」の理由は「在宅医療の普及」や「コロナ死」ではない可能性が高いということ。となると「よくわからない死因で亡くなる高齢者が増えた」と見るのが適切ではないでしょうか。
「実はがんで亡くなった」とか、「ワクチン接種の副反応だった」といったケースも、「老衰」になっている可能性があるわけです。
コロナ禍の自粛で「自殺が急増」した
ちなみに、コロナ禍で過剰な自粛を強いられたことで、「自殺が増える」と予想されていました。営業自粛を強いられた飲食店のほか、宿泊業界も大きなダメージを受けました。こうした産業は個人経営や中小企業が多く、経営体力が弱いため、資金繰りに詰まって倒産するケースが増えることも予想されていました。
補助金やつなぎ融資によってしのいだ企業もありますが、融資はいずれ返済しなければならないので、いずれ倒産が増えると言われていました。事実、2023年以降は企業倒産が増加し、2024年度には11年ぶりに1万件を超えました。
企業が倒産すれば、経済的に困窮する人が増えますが、そうなると自殺も増えることが知られています。
また、一般の企業や学校もリモートとなったことで、人とのつながりが薄くなり、精神的な不安定さを抱える人が増えることも予想されていました。これも自殺を増加させる要因になります。
残念ながらこれらの予想が的中しています。いま日本では「自殺の死亡数」が急増しています。
日本の自殺による死亡数はコロナ前の2019年まで減少傾向でしたが、2020年以降は急増しています。これがコロナ禍の影響なのは明らかでしょう。
ちなみに、コロナ前に「自殺の死亡数」が減少していた理由は、実は「高齢化の影響」だった可能性が高いです。
自殺は経済問題と密接な関係があり、一般に「自殺する人は中高年が多い」とされています。中高年になると勤務先等での責任が重くなるほか、経済的な負担やプレッシャーも重くなるため、自殺数が多くなってしまうのです。
ただ、近年はいわゆる「団塊の世代」が高齢化し、40歳~59歳のいわゆる「責任世代」を過ぎ、75歳以上の「後期高齢者」になりつつあります。
日本の人口の最大のボリュームゾーンが「自殺の危険性が高まる年齢」を過ぎてしまったので、それにつれて自殺の死亡数も減少していたのだと考えられるわけです。
『「反ワクチン派」「陰謀論者」と揶揄されようが訴え続ける!…「ワクチンは安全」と喧伝した政府の責任をうやむやにしてはならない』へ続く。