
X(旧Twitter)で子育ての思わずクスっとしてしまう出来事を日々ポストし、話題を集めている 「ひみつのうつ子ちゃん」 ( @utuko_chan )。「いいね」1万超えも多数! 人気の秘密は、「子育てあるあるの共感力」です。現在、うつ子ちゃんは4歳の息子さんと夫と3人暮らし。そんなうつ子ちゃんのポストで話題になったトピックスをピックアップします。
現在4歳のうつ子ちゃんの息子さん。悩みの種は、「偏食」です。唯一食べてくれるのは、食パンと塩おむすび。他はときに全否定されてしまうことも……。多くの親たちを悩ます子どもの偏食問題に、うつ子ちゃんはどう立ち向かっているのでしょうか?
子育てで翻弄されがちな『○○期』
子育てをしていると、色んな『〇〇期』に遭遇しますよね。代表的なものは「イヤイヤ期」や「パパイヤ期」「なぜなぜ期」などなど……。まぁ、すべては親世代やメディアが勝手に作った造語で発達過程の専門用語ではないようです。
現在、息子は4歳ですが、ここ最近やたら多いのが、「コレは何?」の質問攻めです。聞いたことのない言葉に出会ったり、わからないものを見たりするとすかさず「コレは何?」と聞いてきます。他にも夫と私が話している会話の中で、知らないことがあると、「何を話してるの?」となんでも気になる様子です。ちょっと前までは「なんで雨は降るの?」「なんで夜は暗いの?」「なんで月は落ちてこないの?」という感じの、自分の知らない不思議を知りたい「なぜなぜ期」でしたが、今は目に見える現象よりももう少し先の見えないもの、形がないものにも疑問を持つようになって、「家族って何?」「死ぬって何?」という質問をするようになりました。
でも、簡単に答えられない事柄も多く、不意に質問されると、「う~~ん……」と答えに迷ってしまうこともあります。4歳ともなると、「概念」について理解を深めようとし始めるのだな、と実感しました。ちょっと哲学的だったり、ドキリとする質問をしてくることもあります。
先日、息子と同じ4歳の女の子を育てるママ友ともこの話題になり、「答えに困るんだよね」と話していたら、「わかる~! 私も最初は答えようと悩んだり、考えたりしたんだけど、答えられないことも多いよね。最近は無理矢理答えを出すのをやめて、娘に『どう思うの?』『何でそう思うの?』と聞きながら、『ママも一緒に考えてみるね』って、いっしょに考えたり、いろんな意見を話すようにしているよ」と教えてくれました。
なるほど! 私はとにかく答えなきゃと必死でしたが、ママ友の話を聞いて、一緒に考えていく過程こそが大切なのかも! とハッとしました。今回は息子との朝食のやり取りの中で、子育てについて考えさせられたあるエピソードをお届けします。
子育ての大きな関門…「偏食期」
子育てママの1日の始まりで最初の難関と言えば、「朝ごはんタイム」。朝食の準備に、登園準備、洗濯に、自分自身の仕事の支度……。夫と役割分担しながらも、朝にやらねばならないタスクはあまりに多すぎて、毎日大わらわです。そんな慌ただしい中、出した朝食を息子に「これはイヤ!」と拒否されてしまうことも多々あります。「じゃぁ、何が食べたい?」と聞けば家にはないものを言われてあとの祭り……なんてことも。そうです、息子は今絶賛の「偏食期」でもあるのです。
「そんなん甘やかしすぎ、出されたものを食べさせないと」と思われる方もいるでしょう。わかります……。でも、言って強引に食べてくれればいいのですが、「食べない」となったら食べないのがこの年齢の子どもでもあります。もちろん、「食べないんだったら食べなくていい」という選択もありますが、それをすると昼まで持たないこともあって……。色々考えるとどうしても「だったら食べないでいい!」が出来なくなってしまい、なんとか食べてもらおうと必死になってしまうのです。
実は私自身も記憶を遡ると、母に「こんなの食べたくない!」と無茶を言っていた子どもでした。気に入るものが食べたいけど、特に食べたいものも思い浮かばない……。食べないと怒られるし、と思うと余計に食べられなくなってしまう……。そんな悪循環に陥っていたことをおぼろげに憶えています。だから、息子の気持ちもわかるんですよね……。同時に当時の母に対しても「本当にごめん……」と謝罪と感謝の気持ちでいっぱいになります。
でも、「ママも小さい頃はそうだったんよ。でもな~」と当時の思い出とともに説得したとて、今の息子の心には響くことはありません。話し合って「わかった」と言った後に「いらない」と言われるのです……(涙)。なので、比較的よく食べてくれる「食パン」を朝食メニューにすることが多いです。最近はお米も高いので、我が家ではパンの日が増えています。
この日もいつものように食パンを朝食に出しました。今日も機嫌よく完食してくれるかな、と思っていたら、いつもより早めのタイミングで「ごちそうさま」と言う息子。お皿に目をやると、パンの耳の部分だけがポツンと残っていたのです。私も子ども時代、どちらかというとパンの耳は残す日も多かったので、なんとなく気持ちはわかります。大人になった今では美味しいと思うようになったので残すことはないですが。やはり子どもにとっては食感が固いからなのか、我が子もついにこの日がきたか…という感じでした。
息子が残したあるものの名前
子どもって、大人が思う以上に偏食しますよね。SNSには「前世はカッパなのってぐらいキュウリしか食べない」「ごはんばかり。しかも、白いごはんがマイブームなのか、白くないとダメ。お醤油とかソースとかついただけでも食べてくれない」「お肉や魚を食べてほしいと思っても全力拒否。今はトマトばかり食べている」なんて悩みが溢れています。
本当に子どもってどうしてこんなにも偏食なんでしょうね……。先輩ママさんたちからは、「そんなじゃ育たない、と思っていたけど今は180㎝を超えた」「小学校に入ったら少しずつ治ったよ」という意見も多いので、偏食も成長のプロセスのひとつと思っていますが、息子は現在、食パンか塩むすびの2択です。ここにフルーツなど加えて栄養バランスを整えていますが、圧倒的にタンパク質不足です。親としては、もっと色んなものをまんべんなく食べてほしいんですが、無理強いするほど拒否られるので我慢の毎日です。
この日、お皿に残ったパンの耳をみながら、「もう食べないの?」と聞いてみると「うん……、だってさ……パンのここの部分が嫌いやねん」と自分の肩を持ち上げながら肩を指す息子。オイオイ、息子よ、そこは「耳」ではなく「肩」やろ……。思わず笑ってしまいそうになりましたが息子はいたって真剣。えっ!? もしかして、パンの耳を「パンの肩」と思っているのか聞いてみると、「そう、パンの肩が嫌いやねん!」というのです(笑)。
私たちにとって「パンの耳」っていう言葉が当たり前すぎて何の疑問もなく使っていましたが、息子にとっては四角い食パンの3辺の部分が人間の肩のように見えていたのです(笑)。
悩み多き子育てですが、こういった子どもの発言に、爆笑したり、驚いたり、気づいたり、ということがよくあります。このエピソードをX(旧Twitter)で投稿すると、「“肩”の方がたしかにしっくりくる」「600wで30秒、レンチンすれば凝りに凝った肩も極上ふわふわモチモチの耳になります」などのコメントが寄せられました。みなさんいつもありがとうございます! 今度レンチンしてみます!
「偏食ダメ!」が正義とは限らない
息子のこの「パンの肩」発言を聞いて、爆笑したのもありましたが、私の肩の力も抜けました。子育てをしていると、つい「ちゃんとしなきゃ」「こうあるべき」と思い込み、世の中にある育児マニュアルに当て込んでは落ち込むということがありますよね……。「なんでうちの子は偏食しちゃうんだろう」「偏食するのは親である自分が甘いからなのかな」……と負の連鎖に入り込んでしまうこともあります。特に子どもの食事のことは、毎日のことだから、親にとっては悩みも大きくなりがちです。
でも、息子の勘違いの「パンの肩」の話を聞いて、パンの耳でも肩でも別に問題ないし、パンの耳が嫌いという選択も息子自身が決めたことだし、いいんじゃない、と思えたのです。嫌いなものを粗末に扱うのはよくないことだけど、だからといって嫌いなものを無理に食べることが正義ではないし、おいしい、これは好きってものをたくさん見つけていけることのほうが大事かもしれない。もちろん、人生は好きなものばかりと遭遇できるわけではないけど、嫌い、苦手、イヤという気持ちやその理由を聞くことも必要だなと思うのです。
残ったパンの肩(世の中的には耳ですが)は、後で油で揚げて、お砂糖をまぶして『パンの肩スティック』にして、家族でおいしく食べました。そう、形が変われば食べられるってこともあるわけですし。間違いも味変も味方にして、「こうであらねばならない」と決めすぎないことも大事なのかもしれません。あ、でも、パンの肩スティック、美味しすぎます。食べ過ぎ注意ですよ、ワッショイ‼