食のスペシャリスト&グルメに精通する識者で構成される「FRaU Foodies」が、今イチオシの料理やスイーツなどをお届けします。蕎麦好きミュージシャンとして、『マツコの知らない世界』に出演するなど、さまざまなメディアで蕎麦愛を語っている、DEENのヴォーカリスト・池森秀一さんが「せいろ」をレコメンド。東京・神宮前にある名店の一枚です。
池森秀一さんおすすめの蕎麦一覧▶︎
畑での自家栽培から石臼挽きまで手掛けるこだわりの蕎麦
「神宮前にある有名店「玉笑(たまわらい)」さんをご紹介します。このお店は、何とミシュランの1つ星店なんです!」
池森さんオススメの「玉笑」は、12年連続でミシュラン1つ星を獲得。また、The Tabelog Awardで2017年から2024年まで8年連続でBronzeを獲得している名店です。
住宅地の中で目を惹くモダンな白い建物が目印。竹製の柵の階段を上がって暖簾をくぐります。
落ち着いた風情の中いただく蕎麦は、自家栽培や契約農家から直送される「常陸秋そば」をはじめ、無農薬栽培の厳選した玄そば(果皮をかぶったままの蕎麦の実)を店主自ら石臼挽きして使用。
「蕎麦のおいしさは粉で決まる」と、店主の浦川雅弘さん。自家栽培で丁寧に手刈り天日干しした蕎麦は、殻を取り、石臼で引き粉にする。これらの全行程を浦川さん自ら手掛けます。
こだわり尽くしで提供される蕎麦には、池森さんも舌を巻きます。
「いただいたお蕎麦は『粗挽きせいろ』。鼻から突き抜けるお蕎麦の香り。おつゆなしでもいただけるほど、蕎麦本来の味の濃さが感じられて、本当に美味しかったです」
数多くの蕎麦を食べてきた池森さんを感動の渦に巻き込んだ蕎麦は、粗挽きらしくツブツブとした食感。あえて殻が残った状態の蕎麦だからこそ生まれる力強さが特徴です。蕎麦の表面についている黒点が粗挽きの証拠です。
茨城の常陸秋蕎麦と店主自らが栽培した蕎麦を混ぜて殻まで製粉。のど越しをよくするため、0.7割から1割5部のつなぎを加えています。ちなみに、熱盛せいろの太うちは10割に近いそう。
「伺った際は玉子焼きと板わさも注文しましたが、こちらもGood!! お酒と一緒に楽しめます」
池森さんの言うつまみ類も丁寧な仕事が施されています。ふっくらと仕上げ、出汁を効かせた「玉子焼き」、厚く切ったかまぼこにたっぷりのわさびをつけていただく「板わさ」は、思わず日本酒が欲しくなるでしょう。
その日本酒にも、店主・浦川さんの目利きが光ります。定番の一杯のほか、季節ごとに変える地酒などをラインナップ。最高の蕎麦前が楽しめます。
料理は、旬の野菜を使った「天ぷら」、西京味噌に漬け込まれた「海老の焼き物」なども用意。いろいろ食べたいという方は、ぜひ夜に訪問を。予約のコースのみとなっていて、2種類があります(9900円〜/税込 ※時期等で価格の変動あり)。
「玉笑」でしか食べられない力強い蕎麦と、おいしい酒とつまみ。贅沢な時間をお過ごしください。
玉笑
住所:東京都渋谷区神宮前5-23-3
電話番号:03-5485-0025
営業時間:11:30〜15:00(14:30LO)、18:30〜21:30(21:00LO)、土11:30〜20:00(19:30LO)、日11:30〜17:00(16:30LO)
休み:日・月・火
https://www.instagram.com/soba.tamawarai/
PROFILE
池森秀一Shuichi Ikemori
12月20日生まれ、北海道出身。1993年、DEENのヴォーカリストとして『このまま君だけを奪い去りたい』でデビュー。2023年で30周年を迎えた。また昨今では、様々なメディア出演により蕎麦好きミュージシャンとして名を馳せている。2025年1月22日(水)にアルバム 『ROCK ON!』をリリース。音楽と蕎麦の二刀流の道を邁進中!DEENオフィシャルサイト https://www.deen.gr.jp/
Composition:Seiki Ebisu