日本代表として長年活躍し続ける長友佑都選手。現在開幕中の「FIFAワールドカップ2026」ではアジア人初となる5大会連続で代表入りを果たした。39歳である彼が今もなお第一線で戦い続ける理由のひとつにあるのが、徹底した体づくりだろう。
長友選手は、「食」に関しても意識が高いことで知られている。10年以上前にアスリートとして先駆的な段階で“専属シェフ”と契約。以来、徹底した食事管理を続けている。
その専属シェフが加藤超也さん。長友選手が「もう一人の恩人」と呼ぶほど、彼への信頼は絶大だ。加藤さんは現在、長友選手の専属シェフを続けながら、さまざまな競技のトップアスリートの食サポートも行っている。
こうした経験を生かし、このたび自身3冊目となるレシピ本『鶏が主役! 超タンパクめし』を刊行した。身体にとって非常に重要な栄養素であるたんぱく質を日々の食事に無理なく取り入れることを目的に、鶏を主役としたレシピがたっぷり詰まった一冊になっている。
刊行を記念した今回のインタビューでは“食の価値”や、長友選手とのエピソードを聞いている。本書に収録されたレシピとともに長友選手が“暫定1位”とまで称する「加藤家のから揚げ」や、鶏の旨みを存分に味わう「トリヒキシューマイ」を紹介してきた。
今回は、補食や夜食にもおすすめの炊き込みご飯のおにぎり。たんぱく質やその他の栄養を一度に補給でき、満足感も得られる一品だ。具材が多く水分量の調整が難しい炊き込みご飯を、べちゃっとさせずに仕上げるためのコツも伝授してもらった。その解決法は驚くほどシンプル。ぜひ作る際の参考にしてほしい。
「プロテインにぎり」
ユニホーム、シューズ、あとはこれで必勝さ!
五目おにぎりか、と思いますよね。
でも鶏にひじき、にんじんと一つのおむすびにたんぱく質から食物繊維まで、
運動をがんばる成長期のお子さんに必要な栄養がぎゅっと詰まっている!
ぜひ時間がないときの栄養補給に。
【材料(2人分)】
鶏もも肉(皮なし)…150g
油揚げ(油抜きする)…1枚
にんじん…40g
ごぼう…40g
乾燥ひじき…5g
米…2合
A
白だし、みりん…各大さじ2
しょうゆ…大さじ1と1/2
酒…大さじ1
砂糖、ごま油…各小さじ1/2
【作り方】
(1)下準備をする
鶏肉は余分な脂肪や筋をとり除き、1.5cm角に切る。油揚げとにんじんはそれぞれせん切りにする。ごぼうはささがきにしてボウルに入れ、軽く水にさらす。米をとぎ、30分以上浸水して水けをきる。
(2)具材を加えて炊く
内がまに水330ml、米、Aを入れてまぜる。(1)の具材と乾燥ひじきを加え、普通に炊く。
(3)成形する
炊き上がったら10分蒸らし、底から切るようにまぜる。手にとって好みの大きさに成形する。
補食にもたんぱく質を
鶏肉は、調理のしやすさや食べやすさに加え、レパートリーも豊富で価格面においても、比較的手に入れやすく、家庭で無理なく取り入れやすい食材だ。
加藤さんは人間にとって欠かせないたんぱく質は、とくに成長期の子どもやスポーツに励む家庭では、“補食”としても積極的に取り入れてほしいと話す。
「スポーツ時の補食としてだけでなく、受験期の夜食にもおすすめです。僕には高校2年生になる息子がいて、ソフトテニス部に所属しています。まさに今、親として“成長期の食”と向き合っているところです。今回紹介した『プロテインにぎり』も補食として我が家で日常的に作っています。
ひじきやにんじん、そしてごぼうに含まれた食物繊維と鶏もも肉のたんぱく質を組み合わせることで、白米に含まれた糖質の急激な上昇を抑制することができます」
コツは「水分量」
米と具材を炊飯器に入れるだけで完成する炊き込みご飯。簡単そうに見えるが、意外と水分調整が難しく、ご飯が柔らかくなり過ぎた経験はないだろうか。
「炊き込みご飯は水分量が成功の鍵を握っています。少しのズレで仕上がりが変わってくるので、目分量ではなく“きちんと”計ってください」
加藤さんのレシピでも、水の分量を“330ml”と細かく指定している。
「一般的なレシピ本に比べると、かなり細かい指定ですが、それほど水分量が大事だということです」
米を研いだ後のひと手間
さらに、見落としがちなポイントが。
「無洗米なら、そのまま水を加えるだけなので問題ありませんが、通常のお米を使う場合、研いだら必ずザルにあげ、水けをしっかり切ってください」
洗ったままの米をそのままにして、さらに分量の水を加えれば、当然、水分量はオーバーする。
「さらにひじきは戻さず、乾燥したままで使うのもポイントです」
誰もが陥りがちな“落とし穴”がある炊き込みご飯。しかしその解決法は驚くほどシンプルだった。知っておけば、必ず役に立つはずだ。
【加藤超也(かとう てつや)プロフィール】
株式会社Cuore所属。2016年に長友佑都選手の専属シェフに就任し、以降は世界各国に同行しながら、日々の食事づくりや栄養面のアドバイスを通じてサポートを続けている。現在も長友選手のコンディション管理を食の面から支え、39歳でW杯日本代表入りを果たす身体づくりを、たんぱく質と良質な脂質を意識した食事で後押ししている。
※レシピは『鶏が主役!超たんぱくめし』より抜粋
取材/笹本絵里(FRaUweb)