現在、高齢者の一人暮らしは900万世帯を超え、過去最多を更新している。孤独死(一人暮らしで自宅で亡くなる人)も増え続けており、全国で7万6020人に上る(’24年)。その多くは男性で、年代別では65歳以上が8割弱、40~64歳が2割となる。冒頭の男性のように、一人暮らしの人が「もしも」の時に助けてもらえないことは多い。
さらに、単身の高齢者の半数近くが気にしているのが、死後に発見されず、自分の遺体が放置されてしまうことだ。実際、孤独死した人の3割は、死後8日以上経過してから発見されている(’26年、内閣府)。
今や誰にでも、家族が知らない間に、または本人が望まぬ形で、たった一人で亡くなる可能性がある。万が一の時に、できるだけ早く人に見つけてもらうためには、どうすればいいか。
【前編記事】『孤独死「見守りサービス」にも限界が…「死んでも見つけてもらえない人」にならないための《対策マニュアル》』よりつづく。
墓友、代行業者、孤独死保険という手も
孤独死にかんして、亡くなった後に遺体の引き取りから火葬・埋葬までを子供や親族に託すことも忘れてはならない。『Q&A 孤独死をめぐる法律と実務』の著者で弁護士の武内優宏氏が解説する。
「単身の高齢者であっても、亡くなると様々な問題が出てきます。親族が遺体を引き取れば当然、葬儀を執り行う法的責任を負うことになる。そうなれば、火葬だけでも数十万円の費用がかかります。さらに、納骨するお墓の手配のためにさらなる手間と費用を強いられます」
過去には、賃貸住宅に住んでいた人の遺体発見が遅れ、清掃代などのために791万円もの損害賠償が発生したケースもある。
しかし、そもそも死後の手続きを任せられる子供がいない人はどうすればいいのか。前出の井上氏が続ける。
「甥や姪に頼んで了承してもらう方もいますが、本人が認知症などで衰えると、後になって断られてしまうケースを見聞きします。そこで、同じ墓地に入る『墓友』をつくって助け合う人や、死後の手続きを信頼できる代行業者に依頼する人もいます。死後事務委任契約を結び、葬儀や納骨、行政手続きから公共料金の精算までの事務処理を代行してもらうわけです」
ほかにも、最低30万円ほどの負担で、遺言書を作成して弁護士に手続きをすべて依頼することもできる。賃貸住宅に住む人は、特殊清掃費や遺品処分代、家賃損失などを補償する孤独死保険に加入してもいい。
ここまですれば、死後に誰かに迷惑をかけることはない。
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「週刊現代」2026年6月8日号より