野菜はなぜ体にいいのか
野菜は体にいいと、私たちは、知っている。けれども、実際に野菜を摂ったら、どんないいことがあるのだろう。
野菜が体にいいと言われる理由は、野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれ、心臓病、糖尿病、脳卒中などの生活習慣病や、肥満の予防になり、また、野菜に多く含まれるカリウムは、余分なナトリウム(食塩)を排出してくれるので、高血圧の予防にもなるから。
だが、そんな野菜の消費が減っているという。
日本は言うまでもなく高齢化社会で、2005年から人口は減り始め、65歳以上の人口比率は上がっている。高齢者は若い人よりも食べる量が少ないので、たくさん食べる人が減ることになる。さらに世帯人数も減り、2000年代からは単身世帯が最も多くなった。一世帯が購入する食品の分量は少なくなるので、スーパーの野菜は、小分けされたものやカット野菜がメインになる。結果、野菜の消費が減ったという(山本謙治「今、野菜産地がすべきこと」より)。
使い切りのパック野菜は確かに無駄もなく、ロスもなくいい。けれども、丸ごと野菜には丸ごとのよさがある。丸のままの方が鮮度も保てるし、割安なことも多い。
誰か、野菜をらくに作れて、たくさん食べられる方法を教えてくれないか……。そんな声に答えてくれたのが、『野菜のいいぶん 誰も教えてくれない秘密のレシピ130』(白崎裕子著/ダイヤモンド社)だ。
SNSにも、
「これまでに考えなかった野菜の使い方なども発見できる、素敵な書籍」
「野菜ごとの処理の仕方とか、茹で方とか、それぞれの理由なども書いてあって知識としても面白い」
「手軽にできるレシピが多くて主婦の味方! という感じ」
など、絶賛の感想が投稿されている。
タケノコの「まだ掘らないで」
著者の白崎裕子さんは、葉山町の古民家で「白崎茶会」を主宰する。予約のとれないオーガニック料理教室として知られ、全国から参加者が集まる。
白崎さんがはじめて聞いた「野菜のいいぶん」は、タケノコの「まだ掘らないで」。日々、お茶や野菜、粉の言葉を聞きながら暮らしているという。
そんな白崎さんが野菜の声を代弁する本書をベースに、野菜と仲良くなるためのコツをお伝えする本連載。第1話より、にんじんの青臭さを消すコツや、しなびたキャベツをおいしくよみがえらせる方法、ねぎの青い部分を活かすレシピなどを紹介した。
第9回では、女性の好きな野菜として上位に入りながら、「硬くて切れない」「大きくて扱いにくい」とスーパーでは丸ごと買ってもらえないかぼちゃの切り方と、ほくほくの煮ものつくり方を、本書より抜粋してお伝えする。
かぼちゃのいいぶん
かぼちゃには、包丁を入れる場所があります。大きなかぼちゃを切るときは、皮のしま模様に刃を立て、1~2mm入ったところで両手で包丁を持ち、体重を垂直にかけます。すると、ストンと力いらず。包丁を入れる場所は、かぼちゃが自分で教えてくれるのです。
皮の近くには栄養がギュッと詰まっているから、できれば皮ごと味わいたい。切り方がわかるだけで、かぼちゃはぐんと身近になるような気がします。かたいのに、とても扱いやすい野菜です。
かぼちゃの塩煮
材料(2~3人分)
かぼちゃ…1/4個(正味500g)
酒(または水)…大さじ2
塩…小さじ1
作り方
1 かぼちゃはくぼんだところに包丁を入れて切り分け(刃を入れやすい)、ひと口大に切る。
2 鍋に入れ、塩を加えてまぶす。そのまま水分が出るまで10分ほどおく。
3 水分が出たらかぼちゃの皮を下にして並べ、酒を加えて弱火にかける。フツフツしてきたらふたをして弱火で13~15分水分がなくなるまで加熱する。火を止めて5分蒸らす。
保存メモ
丸ごとの場合は、涼しい所で保存(冷やしすぎない)。切ったら種とわたを除き、きちんと包んで野菜室へ。
かぼちゃと塩だけでおいしくなる理由を、かぼちゃはこう言っている。
「しょうゆでもみりんでもなく、『塩』だったんです。私を引き出してくれるのは。
かぼちゃに1%の海塩をふり、出た水分を使って煮ます。
水分が抜けたかぼちゃは甘くホクホクに仕上がって、皮の青臭みも消えます。
鍋いっぱいに敷き詰めるのがコツ。鍋の大きさに合わせてかぼちゃの量を決めましょう」
塩は料理の要。とうもろこしも枝豆もそら豆も、塩だけでじゅうぶん。
なのに、なぜ、私たちはいろいろ調味料をいれるとおいしくなると思ってしまうのか。
続く、第10回「もやしがシャキシャキ!最高のナムルになる、ゆでる前の「ほんのひと手間」ひと手間」では、冷めてもしゃきしゃきが持続する、驚きのコツをお伝えする。