誰かの上司や、妻、母、娘など、日常生活ではつい、「私」よりも「誰かの私」を優先することが少なくありません。
そんな日々に少し疲れたら、自然のある場所へ出かけてみてはいかがでしょう。自然がもたらすエネルギー、美しい景色から得るものは多く、満たされることも。エネルギーを保つためには、雨に加えて、草木や花の種を広げるための風も必要。時には突然の荒れた天候に遭遇するかもしれません。そこで必要になるのは、自分の意思を持ち、決断する力。
そのまま進むか、引き返すかーー。
自然は感動とともに、本来の自分を取り戻す機会も与えてくれるはず。
そして、今日の気温や会う人、行く場所によって服を決めるという行為もまた、何を大切にし、今日という一日をどんな「私」で過ごすかを決める、小さな“意思表示”。
ここにカナダ・バンクーバーで誕生した、アウトドアブランド「アークテリクス」があります。厳しい自然環境で使うことを前提に、耐久性と機能を最優先に設計。その結果生まれたのが、無駄を削ぎ落としたミニマルなデザインでした。寒波や猛暑、突然の豪雨が珍しくない都市生活にもフィットする、スタイリッシュな気配が宿ります。
今回、登山やスキーを愛するスタイリスト・金子夏子さんにその魅力を生かしたデイリーコーディネートを提案していただきました。
毎日の服選びは些細なことかもしれません。しかし、その選択の積み重ねはやがて大きな自信へとつながるはず。毎日の暮らしの中で、しなやかでタフな私を育ててみてはいかがでしょう。
いつか山へ訪れる、その日のために。
アウトドアと日常をつなぐ「アークテリクス」
アウトドアアクティビティのためのデザインが、日常にも寄り添う「アークテリクス」。高機能なアイテムを活用したコーディネートをシチュエーション別に、スタイリスト・金子夏子さんにご提案いただきました。
◾️美しい空気を求めた近場のハイキングに◾️
近場のハイキングなど気軽にアウトドアアクティビティを楽しむ日におすすめなのが、防水性や耐風性、汗を逃す透湿性など多くの機能を一着に秘めたゴアテックスのアウター。通気性と保温性の高いインナーを選ぶと着心地はさらに快適に。さまざまな着用シーンや季節に活躍する万能な一枚です。組み合わせたトップスやボトムスはニュアンスカラーで春らしく、バックパックやキャップ、シューズは黒で統一し、コーディネートを引き締めて。
完全防水、防風、透湿性が特徴のゴアテックスをより進化させた「ePEメンブレン」素材使用のジャケット。ゴアテックスと同様の強度と耐久性はありながら、より軽くより薄い仕上がりに。折りたたんでコンパクトにできるパッカブルタイプ。
ロゴは素材と同色で、タウンユースでもフィットするスタイリッシュな雰囲気に。また、アームの内側や両脇にはピットジップが配され、衣服内の熱をすばやく逃がす仕様に。
◾️外で過ごす時間が長い日に◾️
例えば試合観戦や公園などで、家族や友人、パートナーと外で過ごす休日。観戦席やベンチなどに座っていると少し肌寒く感じることも。そんな日に頼れるのが、防寒性もあって軽量でコンパクトなジャケット。試合中にヒートアップしたり、走り回って汗ばんだら、くるくると丸めてバッグにイン。シワを気にすることなく収納できれば、ストレスなくその日を楽しむことができるはず。オーバーサイズのポンチョをアウターにし、レイヤースタイルにすると、いつもとは少し違う、新鮮なカジュアルコーディネートが完成。
フロントとバック部には中綿が入っており、軽量で防寒性に優れたフーディ。肌寒い季節に野外でゆったりと過ごす時はアウターとして、冬の季節にはアウターの中に着るミッドレイヤーとしても活用できるため、さまざまな時期やシーンで選びたくなる万能な一枚。
袖口は重ね着をした際でも動きやすさを重視したデザインに。また裾にはドローストリングコードがついており、外気からの雨や風を防ぐ機能も。
◾️湿気や紫外線が気になるこれからの季節に◾️
暖かく心地のいい日差しの季節。外にいることに心地よさを感じるものの、日焼けが気になる日には、紫外線効果の高いシャツを。速乾性と通気性にも優れているため、梅雨時期にも大活躍。パープルのようなブルーのような、グレイッシュな気配も感じるダークストラタスカラーは、洗練された雰囲気。手持ちのアイテムとも相性がよく、オフィススタイルにも素敵にコーディネートができる一枚。
通気性に優れ、UPF50+と、紫外線を防ぐ効果の高い素材が採用されたハイキングシャツ。日差しが強くなり、湿度も高くなる日本の気候におすすめの一枚は、伸縮性もあるため動きやすい設計に。オンでもオフでも使えるシンプルなデザインだから、色ちがいで何枚かそろえても。
前立てのボタンは小さく、比翼仕立てでスッキリとしたデザイン。これは単なるデザインではなく、アウターを羽織った際や、あらゆる動きに対してもストレスを感じさせないための結果。機能性を重視したデザインから生まれたミニマルな一枚。
◾️自然の中でも都市生活の中でも私らしく過ごす毎日に◾️
「私らしさ」からかけ離れることなく、アウトドアシーンと日常のどちらにも愛用できるバックパック。厳しい自然の中で使うことが前提の設計だから、軽量かつ機能性ともに言うことなし。無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインは、デニムなどのカジュアルスタイルにはもちろん、ジャケットスタイルにも調和します。アクセサリーや小物の金具など、バックパックのブランドロゴのゴールドにリンクさせると、大人の女性らしい上品な印象に。
100%リサイクルポリエステルを使用。水筒や折り畳み傘の収納に最適なサイドポケットの他に、フラップ部や内部にもポケットがあるため小物整理もしやすい。人間工学に基づいたショルダーストラップ、また取り外し可能なウエストベルトが肩からずり落ちることや、重さを感じさせない快適な背負い心地を実現。コンパクトでありながら13インチのPCも収まる16Lサイズが女性にはおすすめ。
コードはサイドにもフロントにも使えるので、サイドポケットに入れた水筒や折り畳み傘を固定したり、ジャケットをフロントに引っ掛けることも。またドローコードを締めればバックパック内の荷物をしっかりとホールドできるので、身体への負担や疲労を軽減。よりコンパクトになるので通勤ラッシュの電車内でも便利です。
自宅ケアの説明、修理・修復に対応する専用カウンター「ReBIRD™」
「アークテリクス」では2022年から同ブランドの製品を対象にしたケアや修理を受け付けるサービスカウンター「ReBIRD™(リバード)」がスタート。以前から修理の応対は行っていましたが、専用カウンターを設置し可視化したことで、修理し長く使用することの理解が増えたと「アークテリクス」マーケティング担当の新井望由季さんは言います。
新井望由季さん(以下、新井)「『ReBIRD™』は、見た目だけの“補修”をすることはありません。それは厳しい自然環境で最高のパフォーマンスを発揮するために設計し、アスリートたちの快適な着心地と安全を守る理念があるから。“機能の回復”を前提にしています。また、『ReBIRD™』サービスセンターには洗濯機が設置されていて、お客様のゴアテックス製品をその場で洗う様子を見ていただきながら、日常のメンテナンス方法もお伝えしています」
さらに山に精通したスタッフによるイベントやワークショップも定期的に開催。「興味はあるけれど、何から始めたらいいか分からない」そんなアウトドア初心者にとっても、心強い相談相手となるに違いありません。
ゴアテックス素材は自宅の洗濯機で
雨や雪など外部からの水は通さないが、汗などの内側からの湿気は放出する防水透湿性と、防風性に優れた高機能素材のゴアテックス。アークテリクスではこの素材を創業当時から使用し続けています。ブランドの象徴とも言うべきこの素材は、「ReBIRD™」での相談数が多い一方で、自宅メンテナンスに関して誤解が多い素材でもあるそうです。
新井「“洗ってはいけない”と思っている方が非常に多いんです。実はその逆で、汚れを放置し、“洗わない”ことが修復不可能な破損や機能低下につながります。自宅の洗濯機で洗っていただくことが、機能を長持ちさせることにつながります」
洗濯後に乾燥機を使っても問題はないそうです。ただし柔軟剤は使わないこと。
新井「厳しい自然環境の中で使っていただく製品です。洗濯機や乾燥機などで傷むことはありません。安心して自宅でのケアを行ってください」
5年前の景色をまた一緒に
最後に新井さんが10年以上着続けた製品を「ReBIRD™」で修復し、再び山へ向かった方の言葉を教えてくれました。
新井「『ずっと冒険を共にしたギアを直すことができ、また次の山にも一緒に登れることが嬉しい』というお声や、『5年前の景色をまた一緒に、見ることができた』とのお声もありました」
メンテナンスをし続け、刻まれた時間と物語。新しい製品の魅力とはまた別の価値が宿り、かけがえのない存在に。「ReBIRD™」は、唯一無二の一着を生み出すサービスでもあるのです。
さらに2025年からは対象製品の10年間無償保証「BIRD AID」も始まりました。家電でさえ稀なこの長期保証は「アークテリクス」の揺るぎない自信の表れ。
「アークテリクス」に宿る“耐久性こそがサステナビリティにつながる”という理念。ケアと修理によって再び命を吹き込む「ReBIRD™」と、長く使えることの自信を裏付ける長期保証の「BIRDAID」が新たな軸として加わったことで、より具現化することができたのではないでしょうか。
選択の連続で気づいた「自分らしさ」
スタイリスト金子夏子さんインタビュー
今回の企画で、アウトドアと日常をつなぐ「アークテリクス」のコーディネートを提案したスタイリストの金子夏子さん。日ごろから登山やバックカントリーを楽しみ、「私」を取り戻す時間を大切にしています。こうしたライフスタイルを過ごす中で感じていることや、ウエア選びについて伺いました。
山に行かない?
子どものころは家族で山や海へ出かけるのが恒例だったという金子さん。大人になり、遠ざかっていたものの、夫から突然「山に行かない?」と誘われたのが、再び山と向き合うきっかけだったと言います。その後、山に詳しい仲間との出会いを通じて出かける回数は増し、登る山もハードに。気づけばライフスタイルの中に溶け込み、10年前からはバックカントリーも楽しむようになったそうです。
金子夏子さん(以下、金子)「スキーはまったくの初心者だったので怖さもありましたが、学ぶことは嫌いではありません。自分が少しずつ変わっていくのも面白い。何より自分が好きな自然と直結しているので、楽しさは増すばかりです」
金子さんは登山やバックカントリーのことを“自然と遊びに行っている”と表現します。だからこそ、自然の中に身を委ねるその時間は、過剰な防御をしていません。
金子「日焼け止めは塗りますが、帽子を深くかぶったり、肌を必死で守るようなことはしません。せっかく山に来ているのだから、太陽や風、山の空気を感じたい。ただしウエアやギアは機能を最優先して選んでいます。ハードな環境だからこそ、スペックや機能は重要です。ただ、全てが普段の自分とかけ離れないようにはしています。色やシルエットなどどこかに自分らしさを残しています」
ファッションとアウトドアは近づいている
スタイリストとして現場で感じているのは、アウトドアブランドのデザインが進化し、街に溶け込むアイテムが増えていること。
金子「ファッションとアウトドアのブランドが近づいていることを、とくにここ3〜4年で実感しています。機能性に申し分のないアウトドアブランドでは、普段の街着にもフィットするデザインが非常に増えています。私も雨の日や肌寒い日に重宝しています。とはいえアウトドアブランドに馴染みのない方にとっては、いきなりアウターを合わせるのはハードルが高いかもしれません。例えば夏に速乾性や吸湿性の高いインナーを選んでみてはいかがでしょう。機能を実感することができたら、次は何が着たいかが見えてくるはず。自分のスタイルからかけ離れたものは選ばない、ということもポイントです」
まずは軽い気持ちから
初めて近場の山へ出かけるのだとしたら、まずは天気のいい日を選んでみる。普段かぶっているキャップでもいいし、もしかしたらスニーカーで登れるかもしれない。そんな軽い気持ちで試してみてもいいのでは、と金子さんは言います。
金子「実際に歩いてみると、スニーカーでは疲れやすかったり滑りやすいことに気がつくかもしれません。その経験を経て“では何を優先する?”と、改めて考えるはずです。その積み重ねによって、判断力や意思は育っていくのだと思います。
経験値が上がれば、守ることがわかってきます。それを知ることで、自由に楽しめることにも気づけるはずです。
それは何も洋服を選ぶことだけではありません。私は山に興味を持ち、頻繁に出かけるようになってから、自然と都市で過ごす時間を共存させると仕事にもメリハリが生まれ、自分が一番心地よくいられることがわかりました。それはさまざまな場所へ出かけ、多くの経験を重ねて築いてきたものだと思います」
どこで何を着るか、この時間は何をすべきか、私は何を大切にしているのかーー。
洋服選びも、ライフスタイルも、自分で選ぶからこそ生まれる試行錯誤。しかし、その積み重ねによって“自分なりの正解”が見えてくる。
守ることと楽しむことのバランスを知った先に、「私らしさ」は宿るのかもしれません。
お問い合わせ先:アークテリクス ゲストサービスセンター/https://arcteryx.jp/
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写真/大坪尚人
スタイリング/金子夏子
構成・文/笹本絵里(FRaUweb)