まだ間に合う…“高市銘柄”の象徴はこれだ
高市早苗政権の経済政策に期待して日本株を買う「高市トレード」は、これからが本番だ。今回取材した9名の識者のうち、実に8名が今後のさらなる株高を予想した。その一人、三菱UFJeスマート証券チーフストラテジストの河合達憲氏はこう言う。
「高市トレードで買われる銘柄が、広がりを見せてきました。これは大相場になる時の特徴です。日経平均株価6万円という数字は通過点に過ぎず、今から2〜3割の上昇も近いと思っています。
高市相場がスタートして以降、右肩上がりで株価が上昇している銘柄も少なくありません。これから投資して間に合うのか、不安な人も多いでしょう。上昇相場に乗れない人は、上昇スピードがさらに速くなると、ますます入りにくくなります。
そこでおすすめしたいのは、最低投資単元である100株で構わないので、少額でも買いポジションを持つことです。ポジションを持てば、上昇時は利益確定やさらなる買い増し、下落時は追加購入など複数の投資戦略が取れます。見ているだけの状態を避けることで、投資心理の安定も図れます」
高市総理は昨年11月、政府が重点投資を行う17の戦略分野を選定。今回、本誌はこれに沿った銘柄選択を識者に依頼した。株式コメンテーターの岡村友哉氏は、筆頭の「AI・半導体」分野に注目する。
「衆議院で3分の2超の議席を獲得した高市政権という強力な後ろ盾を得て、日本株の投資環境はかつてないほど恵まれています。そのなかでも『高市銘柄』の象徴と目されているのが、キオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)です。
同社の半導体メモリーはAI向けデータセンターからの引き合いが強く、第4四半期の営業利益は5000億円の見通しで、今の市況が続くなら来期は2兆円超さえ現実味を帯びてきました。すでに株価は上昇していますが、さらにAIが進化していく中、今の株価を『高い』と断じるのは早計でしょう」
「造船業再生ロードマップ」に注目
AIが頭脳とすれば、その指令に従って動く「肉体」が必要となる。それが生成AIに続いて注目を集める「フィジカルAI」だ。日本のお家芸であるロボティクス技術が中心的な役割を果たす可能性は高い。マーケットアドバイザーの天野秀夫氏が言う。
「世界はAIを現場に実装して動かすという方向性に向かっており、『フィジカルAI』は物流施設や工場などで導入されると予想されます。この分野では、搬送システムなどで世界トップクラスのダイフクや、数値制御装置で世界首位のファナックがその両輪となるでしょう」
今年から政府は「造船業再生ロードマップ」を本格始動させ、官民連携して日本の船舶建造量を’35年までに倍増させる目標を掲げる。これに注目するのが、マーケットバンク代表の岡山憲史氏だ。
「かつて隆盛を誇った日本の造船業ですが、近年は中国や韓国勢の後塵を拝していました。そこで安全保障や米国との連携の観点からも、自国で建造する機運が高まっています。業界ではオールジャパン態勢による再編が加速しており、中韓勢に対抗するための大規模な設備投資や技術開発(自律運航・脱炭素燃料船)に予算が集中しています。
こうした政権の狙いに合致するのが、名村造船所です。同社は自律運航船やガス運搬船の需要増に加え、円安が業績の追い風になる局面を迎えています。さらに、防衛省向けの艦艇の修繕事業も行っていて、『高市銘柄』の筆頭候補に挙げられるでしょう」
また、多くの識者からは船舶用エンジン国内首位の三井E&S(旧三井造船)を推奨する声も上がった。
【後編記事】『高市銘柄の大本命は「三菱重工」で決まり…株のプロたちが断言「まだまだ成長する」国策銘柄57』へつづく。
銘柄の選者:天野秀夫、雨宮京子、岡村友哉、岡山憲史、河合達憲、坂本慎太郎、たけぞう、田嶋智太郎、仲村幸浩(五十音順・敬称略・肩書きは本文参照)。数字は2月24日時点
「週刊現代」2026年3月16日号より