X(旧Twitter)で子育ての思わずクスっとしてしまう出来事を日々ポストし、話題を集めている 「ひみつのうつ子ちゃん」 ( @utuko_chan )。3.1万人のフォロワーを持ち、「いいね」1万超えも多数! 人気の秘密は、「子育てあるある」の共感力です。現在、うつ子ちゃんは5歳になったばかりの息子さんと夫との3人暮らし。そんなうつ子ちゃんの子育てに関するエピソードを紹介します。
出産前は音楽の先生をしていたといううつ子ちゃん。妊娠後、不器用な自分には二足のわらじは無理かも、と離職し、専業主婦になったうつ子ちゃんですが、息子さんの成長とともに、仕事欲が生まれ、約1年前に起業。ただ、久々に仕事を始めた当初は、仕事と子育てのスケジュール管理に翻弄される日々が続き、息子さんの大事なイベントに参加できなかったことも……。そのときの反省からの気づきについてお伝えします。
産んで実感、ワーママの世界
今、SNSで「育休もらい逃げ」という言葉が話題になっています。育休を取ったのに、その後職場に復帰せずに離職した人に対して、「迷惑」「悪用」という声が上がっています。
確かに、育休中にキャリアアップを狙っての転職には、モヤモヤする部分があります。自分が出産後気づいたのは、「早く仕事に復帰したい」という気持ちがすっかり影を潜めてしまったことでした。もちろん、人それぞれ思いは違うので、「早く体調を整えて仕事に復帰しよう」「職場のことが気になって仕方ない」という方います。友人にも素早く産休後素早く復職して人もいます。
私は子どもができるまでは、中学で音楽の教師をしていました。教師という職業にはやりがいも感じていましたが、授業以外にも学校行事や部活など、生徒に接する長時間になります。しかも、中学生といえば多感な時期、生徒たちの心の変化にもきちんと向き合うとなると、出産し、子育てをしながらきちんと仕事が勤まるのだろうか、と悩みました。産休後、学校に復帰する先輩もいましたが自分は不器用だし、仕事に育児と、二兎を追うとどちらも中途半端になってしまうのでは……と悩み、最終的には、やめる決断をしました。
この選択は自分にとっては、正解でした。授乳と夜泣きで眠れぬ日々が続き、体力的にも精神的にも不安定に……。「産後うつ」なんて自分には関係ないと思っていたのに……。でも、眠れない状態が続くとネガティブなことしか考えられなくなり、夫が息子のケアをするとそのやり方が気に入らない! とやたら噛みつきまくり、夫婦の危機も経験しました。
他のママ友や、私のXにコメントをいただく方たちのお話を聞いても、育児について想定を遙かに超える辛さがあったという声は少なくありません。
「自分が甘かった。想像以上に育児つら……」
「育児は喜びも大きいけど、大変さは2倍以上」
「育休を取ったけれど体力的に余力がなくて会社に迷惑かけると思って退職した」
「子どもを預けて、と思ったのだけど、仕事と条件が合うところが見つからず、仕方なく離職しました」
単純に、育休からの退職はわがままや悪用だけでなく、想定外に育児が大変だったり、子育ての疲労や体力不足、子どもの預け先の確保が難しくて……という理由で、働きたくても働けなかった、というママも多いのではないかと思うのです。
ワーママになって起きたクリスマスの失敗
私は妊娠を機に仕事をやめ、産後は専業主婦になりましたが、成長とともに、「やっぱり働いて自分でお金を稼ぎたい」という気持ちが自然と芽生えてきました。とはいえ、息子はまだ目が離せず、私自身「子どもと一緒にいたい」という気持ちも捨てきれません。
そんなとき、目に入ったのがコロナ禍以降、在宅ワークが増えた夫の姿でした。「そうか、在宅でできる仕事を考えよう!」と数年前に思いつき、育児をしながら少しずつマーケティングの勉強をして、コツコツ資格を取ったりして、キャリアコンサルタントの事業を立ち上げました。念願の在宅ワークでの起業ですが、果たしてうまくいくのか、最初は不安でした。でも、ゼロからの出発だったこともあり、「ダメだったらまた最初から始めればいい。今やれることを精一杯やるだけ」という気持ちでいたら、ありがたいことに徐々に忙しくなり、他府県へ出向く仕事も増え、仕事も安定してきました。
子育てのためにも「在宅ワークをしたい」と始めたチャレンジでしたが、はじめてみると、外での打ち合わせや営業、イベント活動などの機会も増えてきました。今ではなんとか夫やじぃじ(実父)に助けてもらいながら、子育てと仕事の両立を頑張っています。
そんなふうに慌ただしく働き始めた去年の年末、ある失態が起きました。息子の通う保育園で行われるクリスマス会についてです。私は保育園で子どもたちだけでやるイベントだと思い、何の疑いもなく私は仕事を入れていたのです。のちに「保護者も参観OK」ということを知り、大慌て! 先生に聞くと、子どもたちは劇の練習をしたり歌や楽器の練習もしたりと、園にとっては学芸会や運動会よりも力を入れたビッグイベントだったのです。
私は夫にクリスマス会のことを伝えていなかったので「え、ボクも仕事入れちゃっているよ……」と、2人で肩を落としました。楽しいクリスマス会、みんなはママやパパが参加しているのに、息子だけ誰も来ないなんて……。慌てて、じぃじに連絡を入れ「代わりにクリスマス会を観に行ってほしい」とお願いしました。
「仕事で行事欠席」でみえてきたこと
仕事で息子の大切な行事に参加出来ない……。
仕事を始めるまでは行事不参加はなかったので、ワーママになるとこういった問題も発生するのか、と私は大大大大反省をしました。「今後は、事前にきちんと確認して、仕事入れていた! ということがないようにお互いに気をつけよう」と深夜に夫と反省会議を行いました。
クリスマス会の日の夜、息子に「今日は、ママもパパもごめんね」と伝えると「お友だちのママもパパもたくさん来ていたよ~」と返事が……。やはり……、私たちが参加出来なかったことを息子も悲しがっていたのか……。と再び反省モードになっていると、「でもね、じぃじが来てくれて、とっても楽しかったよ! ○○くんがね~、ボクもね、たくさん歌ったんだよ」と楽しそうにクリスマス会の様子を話す息子……。
そうか! 行事に行けないこと=ネガティブなことばかりではなく、息子の成長を知る機会になったかも、と。子どもの行事に参加したくても、親にも仕事や突然のやんごとなき用事が起こることもあります。実際に我が家以外にも親が参加出来ない家庭もあったようです。みんないろいろな事情の中で、子育てをしているんですよね。仕事で参加できなかったことで、色んな親たちの気持ちが少し見えてきたような気がしたのです。そして、子どもは親が思っているよりも強くたくましくなっていることも実感しました。
この出来事をママ友だちに話すと、「仕事で忙しいと、子どもとの時間をないがしろにしているかも、とメチャクチャ落ち込むことがあるけど、意外と子どもはケロッとしている。気づいたら中学生で、今では私が付いていくというと嫌がるよ(笑)」「毎日やるべきタスクが多すぎて子どもについついガミガミ言ってしまう。この間長女に、『ママ、もう私自分でできるからママも休んで』と言われて、トイレで泣いた」と、どの親御さんもみんな頑張っているし、子どもたちもそんな親を見ているのかもしれません。
とはいえ、「参加できる行事は無理がない形で参加したいね」と夫と話しました。今年の年始に、息子の行事と仕事の優先順位を決めて、1年分のスケジュール確保する戦略に出ました。単純ですが、そのおかげで、息子のことも仕事もどうにかやりくり出来たように思います。これから予定される念願のクリスマス会も1年越しで、夫といっしょに参加できそうです。
来年は、130万円の壁問題の新たな対策も実現される見通しとのことで、働くママさんたちも増加するかもしれません。でも、税金の問題だけでなく、子育て世代だけでなく、複数のタスクをこなす人たちの負担が少しでも減るようなしくみも同時に生まれてほしいな、と祈りながら……山積みの「今年やるべきこと」に蓋をするうつ子でした……。ワッショイ!