常にフロントラインを走り続ける俳優、長澤まさみさんが、サステナブルな服を着て登場。多様性や共感を今どのように捉えているのか。ポジティブな言葉から、色鮮やかな生き方が見えてくる。
●情報は、FRaU2025年11月号発売時点のものです。
きちんと実感することで、毎日が特別な時間になる
「きれいな色って、気分も明るくなれるのがいいですよね。特に赤は好きな色です。今日の服は私の学生時代に流行ったようなジャージやヴィンテージだったり、パンツの上にスカートを重ねる着こなしだったり、どこか懐かしさも感じました」
色を纏いながらセッションを楽しんでくれた長澤まさみさん。最近、日々暮らす中で心がけていることがある。
「洋服はちゃんとお店に出向いて見るようになりました。ネットの情報は便利だし、知ったつもりになれるけれど、実物から得られる感覚が本物だと思うんです。どんなことでも自らきちんと実感することで、毎日を自分の特別な時間にすることができる。“めんどくさいを楽しむ”ということが大切だと思っています」
2025年6月公開の映画『ドールハウス』(原案・脚本・監督:矢口史靖)は不気味な人形を巡るノンストップ“ドールミステリー”。謎の人形・アヤと出会い、その真相に迫っていく主人公・鈴木佳恵を演じる。
「脚本はハラハラ、ドキドキで、没入感を持って一気に読みました。あの矢口監督がこんなゾクゾクする作品を作るんだ! という意外性にも惹かれました。スピード感のある展開はアトラクションのようなポップさがあり、一方で家族の物語を丁寧に描いているので、大人も観られる作品。どんな終着点を迎えるのか? 楽しみにしていてほしいです」
さまざまな人が携わる俳優の仕事において、どのように他人の気持ちを理解したり、共感を得たりしているのだろう。
「役柄に対しては、共感するための作業はしません。むしろ自分とは違うから演じるのが面白いと思えます。人と関わるときに心がけているのは、“その人に興味を持つ”ということ。自分をオープンにするのも大切ですが、興味があるよ!って相手に示すことも歩み寄りだと思っています。例えば共演する俳優さんだったら、その方の作品を観て、共通の話題を自分から話しかけるようにしています。映画館や舞台に足を運んだり、いろんな作品を知るきっかけになって私も嬉しいし、俳優としての学びももちろんある。同時に、一個人としても、ちゃんと作品を楽しみたいといつも思っています」
仕事の現場では女性が増えたことに多様性を感じるという。
「撮影部、照明部など、どの部署にも女性のスタッフが多くなりました。みんな元気で頑張り屋さん。生き生きと働いているのを見ると私も勇気をもらえる。どんな職種であれ、誰もが自由に堂々と仕事に向き合える環境が整ってきた。いい方向に変わってきたなと思います」
第一線で活躍する中で、仕事のやりがいはどんなときに感じるのだろう。
「やっぱり、観てくれた人が喜んでくれたとき。この作品がよかった、あのシーンが面白かったなど、携わってきた作品に好きだと言葉をかけてもらうのは、これまでの年月を認められたような、報われる瞬間になります。もう、本当にそれだけ。やってきてよかったなって思えます。単純なんです(笑)。撮影の現場は煌きらびやかでもないし、肉体労働だったりするし、日々淡々としていて、コツコツの積み重ね。だからこそ“好き”という声が、いちばんの幸せをもたらしてくれるんです」
ポジティブな言葉と柔らかな考え方。生き方そのものもカラフルに彩られているようだ。最後にSDGsで関心のあるテーマについて聞いてみると。
「魚が大好きで……食べるのが(笑)。イワシ、サバ、アジなど新鮮な青魚の刺身が一番好き。食べられなくなったら本当に困るので、海をきれいにする取り組みに関心があります。自分たちだって生きている場所が汚かったら嫌ですもんね。撮影でカイロを使ったときに、リサイクルして水質改善に役立てる仕組みがあると聞いて気になっています。
洗剤もエコなものを使っていますし、使う量も少なくできるように食器は新聞紙で拭いてから洗うようにしています。普段使う水が海に繋がるので、できることから実行していきたい。水質だけでなく、地球温暖化の影響も心配ですよね。釣りにも行きたいし、捌けるようにもなりたい。まだまだレベルは低いのですが、美味しい魚がずっと食べられるように行動したいと思っています」
長澤まさみ(ながさわ・まさみ)
1987年生まれ。静岡県出身。2000年、俳優デビュー。20年の映画『MOTHERマザー』(大森立嗣監督)で第44回日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞を受賞。2025年6月13日より、主演映画『ドールハウス』(矢口史靖監督)が公開。さらに10月17日より、葛飾北斎の娘で絵師である葛飾応為を演じた映画『おーい、応為』がある。
●情報は、FRaU2025年11月号発売時点のものです。
Photo:Yuki Kumagai Styling:Megumi Yoshida Hair:SHOTARO(SENSE OF HUMOUR) Make-Up:Minako Suzuki Text & Edit:Naoko Sasaki
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