『冬は腎臓に大ダメージ…健康を左右する「3つの数値」が軒並み悪化する季節なワケ』でも解説したように、冬は腎臓にとってつらい季節だ。そんな時期こそ、腎臓を活性化させるトレーニングで大事な臓器を保護したい。専門家におすすめの方法を聞いた。
上月正博(こうづき・まさひろ)/1956年、山形県生まれ。東北大学名誉教授。山形県立保健医療大学理事長・学長。専門は内科学、リハビリテーション医学。『腎臓大復活』など著書多数
慢性腎臓病の治療に「運動」は効果的
かつて慢性腎臓病の治療は「安静第一」が鉄則で、運動は病状を悪化させると言われてきました。ところがいまや、運動によって腎機能が回復することが新常識となりました。実際に私の患者さんでも、運動によって腎臓の数値が改善した人は少なくありません。
私がオススメしているのは、体操と筋トレ、ウォーキングの3つを組み合わせる方法。全身の血流をよくすることで、腎臓のろ過機能を維持できます。
まずは準備運動の「足上げ体操」で、筋肉や関節をほぐして体を温めましょう。続く「ヒップリフト」などの筋トレは、血流がいい体の土台づくり。筋肉量を維持することで、疲れにくく丈夫な体になるだけでなく、ウォーキングの効果もさらにアップします。
血流を改善する「腎活性ウォーキング」
そのうえで重要なのが、血流を改善する「腎活性ウォーキング」です。
ただダラダラ歩くだけでは意味がありません。ポイントは「いい姿勢」を意識して歩くこと。あごを引いて背筋を伸ばし、下腹に力を入れて胸を張りながら歩きましょう。また歩幅は広めに、つま先で蹴ってかかとから着地すると効果的です。1歩ずつリズミカルに、「息が切れるか切れないか」くらいのペースで歩きましょう。
このウォーキングを1日30分、週5回くり返してみましょう。最初はハードに感じるかもしれませんが、これが腎臓を強くする一番の近道なのです。
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「週刊現代」2025年12月8日号より