食のスペシャリスト&グルメに精通する識者で構成される「FRaU Foodies」が、今イチオシの料理やスイーツなどをお届けします。今回は、音楽界のグルメ番長、ホフディランの小宮山雄飛さんが、七味をレコメンド。長野・善光寺のお膝元にある名店による「拉麺七味」です。
小宮山雄飛さんのおすすめグルメ一覧▶︎
信州・善光寺で創業約290年、“三大七味”の一軒
「とりたてて辛いもの好きじゃなくても、誰もが一度は『八幡屋礒五郎』(やわたやいそごろう)さんの七味缶は見たことがあるんじゃないでしょうか? 赤くて唐辛子の身が大きくデザインされた、あれです」
江戸時代に広まったとされる「七味唐辛子」から生み出された“三大七味”の一軒「八幡屋礒五郎」。1736年に長野・善光寺の境内で七味唐辛子を売り始めたのがはじまりです。
初代が創業し、ニ代目が製造法を確立。三代目の時代には、境内で一番よいとされる御高札前に店を張りました。その様子は、明治時代に発行された「善光寺繁盛記」に描写されています。
現在店を構えている、善光寺のお膝元・大門町に出店したのは、七代目の時代。1952(昭和27)年のこと。当時1袋10円の商いだったという八幡屋礒五郎が長野市の一等地に店を構えるということで、界隈に衝撃を与えたそうです。
その後、新幹線の開通や冬季オリンピックの開催、6年に1度行われる善光寺のご開帳を経て、長野県のお土産として全国的に知られる存在になりました。
八幡屋礒五郎の七味は、辛味を出すための唐辛子、辛味と香りを併せ持つ山椒・生姜、そして、風味と香りの麻種・ゴマ・陳皮(ちんぴ)・シソの7つの素材を使用しています。
唐辛子は長野県で生産をし、そのほかの素材も今後は長野県産をより多く使用することで「信州の七味唐からし」としての魅力を高めることを目指しています。
これらの素材を別々に焙り、粉末にしてから調合します。各素材の特性があるため、それに合わせて焙り方や粉末のキメの細かさなどに気を配り、辛味と香りの調和がとれた独特の味わいに仕上げています。
『八幡屋礒五郎』には定番の「七味唐からし」をはじめ、さまざまな種類があるのですが、雄飛さんが特にお気に入りなのがこちら。
「八幡屋礒五郎さんは通常の七味に加えて、ゆず七味、深煎七味、焙煎一味などなど、さまざまなバリエーションを出しているのですが、その中でも秀逸なのが『拉麺七味』です。ラーメンに合うように、ブラックペッパーとホワイトペッパーをブレンドしてあるのですが、それでいて、ただの胡椒と違って、しっかり『七味』として成立しているのです。七味の風味もしっかりありつつ、ブラックペッパーとホワイトペッパーの香りもしっかりある。そのバランスが最高なんです」
原材料は、雄飛さんが話したブラックペッパー、ホワイトペッパーに加えて、ゆず、ガーリック、オニオン、青海苔、そして唐辛子の7種です。
この「拉麺七味」を雄飛さんはどのように利用されているのでしょうか。
「もちろんそのままラーメンに使っていますが、ラーメン以外の料理に使っても合う。胡椒と唐辛子のダブルの刺激で、ひと振りで一気にスパイシーな味になります」
その刺激は、やはりチャーハンや野菜炒めなど中華料理に合いそうです。拉麺七味は、12gの缶をはじめ、小袋8g(356円/税込)、写真の15gに、0.2gが12袋入った「七味ダース」(248円/税込)が用意されています。
風味は開封して空気に触れた瞬間から徐々に落ちていくため、少しずつ購入し、開封後は早めに使い切ることでその風味を守り、最後まで美味しくいただけます。
そのため、八幡屋礒五郎としては小袋をオススメしています。缶か小袋で迷った場合は参考にしてください。
「八幡屋礒五郎さんといえば、実はオリジナルの七味を作らせていただきました。その名も『爽やか七味』。BSフジの番組『小山薫堂東京会議』の放送400回を記念したものです」
なんと雄飛さん、八幡屋礒五郎とコラボレーションした七味を作ったのです。
「前々からオリジナルの七味を作るのが夢で、ずっと構想を練っていました。八幡屋礒五郎さんの本社に伺わせてもらって、数十種類のスパイスを何度も調合して作り上げた自信作です」
カレー好きの雄飛さんらしい楽しみ方を提案いただきました。
「唐辛子にガーリック、クミンなどをブレンドしているので、普通のカレーに一振りするだけで一気にスパイス感が増します。それでいて、香りが主張しすぎないようにしているので、蕎麦でもお味噌汁でも、毎日使いの七味として使えます。ホントに美味しいのでぜひみなさん試してください」
こちらは、2025年11月29日に開催される「東京会議」のイベントにて販売されます。状況によっては、ホフディランの公式HP(https://hoff.jp/)で販売予定です。
「『八幡屋礒五郎』さんは、割と小ロットで自分だけのカスタマイズした七味とオリジナルラベルを作ることができるんです。会社の記念品などでみなさんも自分だけの七味を作ってみてはいかがでしょう」
そうなんです。長野市大門町の本店では、好みに合わせた七味の調合サービス「カスタムブレンド」を行っています。気になる方はぜひチェックしてみてください。また、七味缶をはじめとする全商品のラインナップが販売されているので、それを見るだけでもかなり楽しいです。あなた好みの七味がきっと見つかるはずです。
八幡屋礒五郎 本店
住所:長野県長野市大門町83
電話番号:026-232-8277
営業時間:9:00~18:30
定休日:なし
https://www.yawataya.co.jp/
https://shop.yawataya.co.jp/
https://www.instagram.com/yawataya.isogoro/
PROFILE
小宮山雄飛Komiyama Yuhi
ミュージシャン。ホフディランのヴォーカル&キーボード。音楽活動の傍ら、日本初のレモンライス専門店『Lemon Rice TOKYO』を渋谷にオープン。自身が生まれ育った渋谷区の観光大使もつとめる。2020年11月より渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)に就任。通算10枚目となるオリジナルアルバム『Island CD』が発売中。
Composition:Seiki Ebisu