皆さんはマンション派ですか? それとも一戸建て派ですか?
「いつかお庭のついた一軒家に住みたい」――そんな夢を抱いている人も少なくないはず。でも、マイホームの購入は、多くの人にとって人生で最大の買い物です。だからこそ、お金のことについては購入前にあらゆる方面から確認しておく必要があります。
そこで今回は、購入して実際に住み始めてから「思ったよりお金がかかってびっくり!」「この出費は想定していなかった!」とならないために事前に確認しておきたい「お金のこと」を、わかりやすくご紹介します。
物件価格とは別にかかる「諸費用」あれこれ
まず考えておきたいのが、物件の価格とは別に必要になる「諸費用」です。たとえば、売買契約を行う際には、印紙税として契約書に売買金額に応じた数万円分の印紙を貼る必要があります。不動産会社を通じて物件を紹介してもらった場合には、仲介手数料として「物件価格×3%+6万円+消費税」を上限とした金額を支払う必要があります。
住宅ローンに関する費用も多くあります。金融機関やローン商品、借り入れ金額によっても異なりますが、事務手数料や保証料、団体生命保険の保険料、それからローンの契約書(金銭消費貸借契約書)にはる印紙代。火災保険や地震保険料の保険料もかかります。
注文住宅の場合には、地盤調査の費用に設計料、地鎮祭・上棟式の費用、建築確認の申請費用など、さらに出費の項目が多岐にわたってきます。
いよいよ引っ越し!という時にかかる費用
物件を名実ともに「我が家」にするためには法務局での所有権登記がマスト。こうした所有権移転や抵当権の設定を行う際には、登録免許税に加え、司法書士さんに手続きをお願いすることが一般的なので、司法書士報酬も必要になります。
引っ越し費用も忘れるわけにはいきません。引っ越し費用は時期や荷物の量、距離などによってかなり違ってきます。必ずアイミツ(相見積もり)をとって金額やサービスの内容などを比較検討しましょう。
せっかくの夢の一軒家。家具やインテリアもお気に入りのものを買い揃えたいですよね。生活家電についても、コスト削減という意味ではできるだけそのまま使用したいところですが、意外と「サイズが合わなくて買い替えざるを得ない」ということが少なくないようです。最近の物価高とも相まって、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、どれもそれなりの機能がついたものは10〜20万円が相場。気を抜くと引っ越しまわりだけで100万円を超えるなんていうことも起こり得るかもしれません。
さらに購入後しばらくすると不動産取得税の納付通知書もやってきます。これらの「諸費用」は一般的に物件価格の6〜12%ぐらいかかると言われています。6,000万円の一軒家であれば、360〜720万円ぐらいをあらかじめ「諸費用」として見込んでおきたいところです。
住宅ローンの金利は数百万円以上に!
住宅ローンを組む場合、頭金を除いた必要金額を30年や35年といったローンで組むことになるわけですが、毎月のローン返済額だけではなく、返済総額についてもしっかりイメージしておきましょう。
2025年10月現在、変動金利は0.7〜0.9%前後のものが多いようですが、仮に金利0.8%の35年ローン(元利均等返済)で5,000万円の住宅ローンを組んだ場合、毎月の返済額は136,530円。総返済額では約5,734万円と、700万円以上を金利として支払うことになります。全期間固定金利の場合、2025年10月現在の最頻金利である1.89%で計算すると、毎月の返済額は162,822円。総返済額では約6,839万円。なんと金利は1,800万円以上に。
住宅ローンは「厳しめシナリオ」で考えよう
しかも変動金利の場合、返済期間中に金利が上昇していく可能性も十分にあります。借り入れ当初の10年間など一定期間が固定金利の住宅ローンも人気ですが、固定期間が終了したときに変動金利がどのくらいになっているかは神のみぞ知るところ。
また、ボーナス返済を組み込むと毎月の返済負担は少なくて済みますが、ボーナスも「水もの」です。勤め先の業績によるところも大きいですし、長い人生、やりたいことが見つかって転職や独立をした結果、当初想定していたボーナスがもらえる状況ではなくなることもあるかもしれませんよね。
生活に目を落としても、子どもが誕生し、成長するにつれて生活費や教育費が膨らんでいきますし、自分たちの老後資金も貯めなければなりません。
こうしたことを踏まえると、住宅ローンは「厳しめシナリオ」でシミュレーションしたいところ。夢の一軒家だからといって「頑張ればなんとか返済できるかな」と住宅ローンで無理するのは禁物です。物件の予算を下げる、諸費用を節約しながら頭金を多めに工面するなどして余裕を持って返済シミュレーションを立てましょう。毎月の返済額は手取り収入の25%、どんなに多くても30%未満になるようにしたいところです。
購入後に継続してかかる税金と保険料
一軒家を購入したあとにかかるランニングコストの主なものとしては、「固定資産税」「火災・地震保険料」「メンテナンス費用」の3つが挙げられます。
固定資産税は毎年1月1日時点での不動産の所有者に対して課される税金で、毎年4~6月頃になると市区町村から納付通知書が届く仕組みになっています。都市計画区域内の場合には、都市計画税も一緒に課税されます。これらは納付期限が年4回に分かれていますが、一括払いも可能です。
火災・地震保険料は、契約期間によって頻度が異なりますが、いずれにしても継続的に支払っていく必要があります。最長で火災保険は10年、地震保険は5年の契約が可能で、長期契約であるほど保険料が割引されるのが一般的です。
近年は自然災害が増加していることから、更新時の火災保険の保険料は上がる傾向にあります。ただし、保険会社によって保険料は異なるので、加入時にしっかりと比較検討することが大切です。
一方、地震保険は火災保険と異なり、都道府県ごとに一律で料率が決められています。購入を検討している地域の料率が他と比べてどのような水準にあるのかを一度チェックしてみるのもおすすめです。
一軒家ならではの維持費も
一軒家は購入して終わりではなく、住み続ける限り何かと維持費がかかります。
一般的に10〜15年経てば屋根や外壁の塗装、給湯器の交換などが必要になりますし、お庭があれば植木や芝生のメンテナンスも必要になるかもしれません。
さらに、家を長持ちさせるためには、シロアリ対策や排水管の清掃といった見えにくい部分のメンテナンスも必要になってくるかもしれません。特に中古の一軒家を購入する場合は、直近でいつこうしたメンテナンスを行ったのかを契約前に確認したいところです。
近年は太陽光パネルが設置されているケースも多いですよね。太陽光パネルは、パネル自体はほとんどメンテナンスは必要ないものの、電気を変換するパワーコンディショナーは定期点検をしたり、10〜15年ほどで交換したりする必要があるとも言われています。
こうした一軒家ならではのメンテナンス費用は、ときには数十万円単位になることも。マンションのように修繕積立金が仕組み化されていない分、自分でしっかりと心積もりをしてお金の準備をしておきたいところです。
購入前に全体を見渡すことが成功のカギ
夢の一軒家のお話のはずが、気持ちが萎えるほどの費用を並べてしまったかもしれませんね。でも、人生で最大の買い物ですから、購入してしまってから「こんなはずじゃなかった!」と後悔するのはなんとしてでも避けたいところ。
大きな買い物だからこそ、想定外の出費で後悔しないように、事前にしっかり全体を見渡し、抑えるべき出費は抑え、余裕を持った資金計画を立てることが、夢のマイホームライフの成功のカギを握っているのです。