X(旧Twitter)で子育ての思わずクスっとしてしまう出来事を日々ポストし、話題を集めている 「ひみつのうつ子ちゃん」 ( @utuko_chan )。「いいね」1万超えも多数! 人気の秘密は、「子育てあるある」の共感力です。現在、うつ子ちゃんは5歳になったばかりの息子さんと夫との3人暮らし。そんなうつ子ちゃんのポストで話題になったトピックスをご紹介します。
今回は、Xでさまざまな声があがった「「パパってなんでお仕事、がんばっているの?」の息子さんの疑問に対する息子さん自身のアンサーについてお伝えします。
共働きになり、息子と過ごす時間は減少中
私は妊娠を機に仕事を辞め、しばらく専業主婦をしていた時期がありましたが、約2年前に起業しました。会社員だった夫も今年4月に思い切って仕事を辞め独立。現在は夫婦で事業をしています。夫婦揃って自営業になり時間の使い方は比較的自由になったものの、事業を軌道に乗せる大切な時期でもあり、今は夫婦ともに時間に追われるように忙しく働いています。5歳になった息子とは可能な限りは一緒にいたいと思っているのですが、ゆっくりお出かけすることが難しくなっています。
共働き世帯が増え、私たちだけでなく、多くの家庭が仕事と育児の両立に奮闘されていると思います。厚生労働省の調査によれば、2023年時点で共働き世帯は約1,262万世帯に達し、専業主婦世帯の約2倍という数字が示されています。実際に息子の保育園でも、ほとんどの家庭が夫婦ともに働いています。
今回は、そんな共働きで働く我が家で起きたある出来事についてお伝えします。5歳息子がパパに言ったある一言はどんなものだったのでしょうか?
パパのお仕事について5歳が感じた疑問
事業を始めてから、私も夫も在宅で仕事をする時間が増えました。でも、打ち合わせや出張などもあり、外に出て仕事をすることもあります。
ある日、息子が保育園から帰宅すると夫がいないことに気づき、「パパはまだ帰ってきてないの?」と聞きました。私は「今日はね、お仕事で外に出ているからちょっと帰ってくるのが遅いのよ」と答えました。この日は夫の帰宅が遅い日。夫がいない日は、仕事をいったん片付けて、夕食の準備をしたり、残っている家事をしたりと大忙しです。仕事が終わった後に、再び押し寄せる家事という労働……本当に大変ですよね。私の場合、基本在宅なので工夫してどうにかやっていますが、通勤されている方は本当に大変だと思います。
万が一、業務が押してしまったり、電車の遅延などが発生すれば、すべての予定を仕切り直さなくてはいけない。「そんなのルーティーンになっているから大したことがない」と言われる超人もいるかもしれませんが、やっぱりみなさん工夫して負担を減らす努力しているのだと思います。話題のドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』じゃないですが、当たり前のように夕飯が出てくると思わないで! と思うのです。
そんな慌ただしい夕飯を終え、しばらくすると夫が帰宅しました。「おかえり」と迎えると、疲れた様子ながらも笑顔で「ただいま」と返してくれる夫。息子も「パパおかえり!」と駆け寄っていきます。リビングでくつろぎ始めた夫に、ふと息子が尋ねました。
「ねえパパ、パパってなんでお仕事、がんばっているの?」
突然の質問に、夫は少し驚いた様子。まだ5歳の息子が、パパの仕事について考えていたなんて……。そして、夫は笑顔で「なんでやと思う?」と聞き返しました。
息子が放った言葉に……
「パパってなんでお仕事、がんばっているの?」
私はキッチンで明日の保育園の準備をしながら、2人のやり取りを聞いていました。パパに質問したはずが、自分に問いが戻ってきて、息子も「うーん……」と唸りながら、真剣な表情で何かを考えていました。ついこの間まで、寝ても覚めても戦隊ヒーローのことばかり考えていた息子が、父親の仕事について考えているなんて……! 子どもの成長ってすごいな、と思っていると……。
息子は夫に、「ボクを幸せにするため」
と迷いもなく、自信を持って、言い放ったのです。
私は息子の答えを聞いた瞬間、思わず手を止めてしまいました。「えっ……伝わってたん……?」と私も胸がいっぱいになってしまいました。2人のところに飛んで行くと夫もめちゃくちゃ感動中だったのですが、「パパ、どしたん?」と冷静を装いました。感動しがちな夫ですが、今回ももれなく瞳が潤んでいます。夫は息子の頭をそっと撫でながら言いました。
「そうや。パパもママも、〇〇くん(息子の名前)を幸せにするためにがんばってるんやで」
息子は夫の話を聞いて満足そうに笑っていました。
何のために仕事をするのか?
この出来事をXでアップすると、この出来事に関してさまざまな声をいただきました。
「パパ、心に来るね、頑張れるね」
「本当にそうですよね。子どものためなら頑張れます。そう、それが連休明けの仕事だったとしても」
「あー明日休みたかったのに休めないようなことを…」
といった共感の声もあったのですが、「この答えが正解かはわからない」と問題提起の声もいただきました。どのコメントも、そうだな、なるほどと思うものが多かったです。ありがとうございます。
確かに、働く目的や喜びは人それぞれです。子どもを持っている人の働くも目的が「子どものため」とは限りません。自己実現が目的の人もいるし、高い収入を得たい人もいます。家族のためと答える人もいるでしょう。逆に「子どものため」を自己犠牲と感じる人もいます。「働くことはこうあらねばならない」という決めつけでなければ、感じる思いは個々異なるので、さまざまな声があっていいかなと私は思っています。
私自身、独身のときには教師をしていて、子どもたちと接すること、知識を伝えることに生きがいを感じていました。夫も自分の仕事にやりがいを感じ、「これならやっていけるだろう!」と自信と決意を持って独立をしたのです。そして、私は2年前に始めた新しい事業に、とてもやりがいを感じています。クライアントの方と企画を深めてよいものに作り上げていく作業はとてもワクワクし、仕事がうまくいったときには子育てとは違う大きな喜びや達成感があります。何のために働くのかの答えはひとつではありません。
ただ、私たちは子どもがまだ小さい中、夫婦揃って事業を始めて、きちんとやっていけるのかなど不安な部分も少なくありません。事業の運営だけでなく、生活も大きく変わり、実際に毎日バタバタです。保育園のお迎えも延長保育になることが増え、休日も仕事や家事に追われて思うように以前のように遊べません……。息子にも「ちょっと待って」「もう少しだからね」と伝えることが増え、事業を始めるという親の決断のシワ寄せが息子に来ているのでは……、と落ち込むこともあります。息子との時間を確保しながら、夫も私も「今はがんばるとき」と日々感じていたのです。
完璧な親ではなく、めっちゃ悩みながら仕事も育児も奮闘している最中だからこそ、夫も私も息子が発した「ボクを幸せにするため」という答えにグッと来てしまったのかもしれません。この言葉は、金銭的に豊かにするという意味ではなく、息子と楽しく過ごす=「幸せな時間」を確保するために、仕事をがんばるということ。5歳なりにそんな気持ちを感じ取ってくれていた、と感じたのです。
もちろん、息子が本当にそう思ってくれていたのかはわかりません。単なる自己満足と言われたら、それまでです。でも、思い返してみると、私たち夫婦は子育ての中で意識的に「幸せ」という言葉を使ってきました。日々の小さな幸せに気づけるようになるといいな、と思い、どんなに忙しい日でも、どんなに疲れている日でも、寝る前には必ず「今日も幸せだったね」と互いに声かけをしていました。今回の出来事で、息子の中に、「幸せ」と言う言葉がいい意味で使われていたことがうれしかったのです。
といっても、「あなたを幸せにするために、あなたのために〇〇してあげているのよ」という親の「押し付け」的な高圧マインドはよくないと思っています。だから、今回の「ボクを幸せにするため」の言葉にも、「ボクのためだけじゃないよ、パパも、ママのためでもあるんだよ」と話しました。
これから息子はいろんなことをもっともっと覚え、疑問も増えていくはずです。忙しいときは、どうしても「ちょっと待って」と言ってしまいますが、それでも手を止めて息子も問いかけに耳を傾けられるように、私自身も精進せねばと思う今日このころです。そして、みんなの幸せを維持するために、仕事だけでなく、家事や育児ももう少し担ってほしいと、これから夫に交渉する予定です! ワッショイ!