提供:プレミアアンチエイジング株式会社
東京から電車に小1時間揺られて、神奈川県の三浦半島の南の終点「三崎口駅」に到着。バスに乗り換え、のどかなキャベツ畑を眺めながら進み、「引橋」停留所で降りると、今回の目的地「小網代の森」入り口にたどり着きます。
そこで待っていたのは、自分の幸せに焦点を当てたSWGs(Sustainable Well-being Goals)をテーマに、環境と人間の幸福を結ぶ持続可能な社会を目指して、自治体や企業とともに教育プログラムを実施している金ヶ江悦子さん。
今回は、都心から少し足を延ばすだけで、ひとつの河川流域がまるごと守られた姿を見られる小網代の森を案内してくれるのです。
この森は、山と谷、湿地、干潟がほとんど開発されることなく残る、関東地方で唯一の自然環境を誇ります。約70ヘクタールに及ぶ緑地には長さ1kmほどの川の源流があり、その水が谷では湿地を、河口では干潟を形成しながら、海までたどり着くようすを、それに沿って歩きながら体感できます。また、2000種類以上の生物が生息していて、なかには絶滅危惧種も含まれるという、まさに生物多様性を目の当たりにできる散策路なのです。
この森を訪れるのは2回目という金ヶ江さんとともに、往復約1時間のハイキングコースを体験しました。
動植物で賑わう流域で、奇跡の営みを知る小旅行
小網代の森では、春から動植物が躍動します。ガマやオギの新緑、ヤマザクラやハマダイコンの花が咲き、初夏には雑木林の木々ががうっそうと生い茂ります。整備されたウッドデッキを希少種のアカテガニが突然横切ったり、他地域よりいっそう色鮮やかなアゲハチョウや、絶滅危惧種のトンボがゆったり飛び交います。
「ここには森と干潟がひとつの流域として守られ、生き物の楽園が形成されています。都心からわずか約1時間で、こんなにも豊かな自然に身を委ねられるなんて、本当に奇跡のよう。時間を忘れ、季節の移ろいを全身で感じられる、そんな稀有(けう)な場所です」
森の中央に位置する湿地帯は、支流との合流地点。5月下旬から6月初旬、夜7時を過ぎると蛍の大群が舞い、近隣の子どもたちはその時期、懐中電灯を持ってここを訪れるのを楽しみにしているそうです。
われわれが訪れた日は、日差しが強く蒸し暑かったものの、散策路には広葉樹たちが影を落として歩きやすく、海からの潮風がとても心地いい。あまりアップダウンがないので、子どもから年配の方まで、ムリなく歩けるのも魅力です。
ただ、この森はいわゆる“手つかずの自然”などではありません。30年以上にわたり地域が保全管理してきたからこそ、生物多様性がいまも残っているのです。その間、森を流れる河川の状況や環境もたびたび変わったため、その都度流路を整えたり、大きく育ちすぎた木は伐採したり。適度に人が手を加えることで、自然が絶妙なバランスを保っているのです。
さて、森の真ん中にある湿地を抜けると、谷が少し開けてきて、えのきの大木が涼しい木陰をつくる「えのきテラス」が見えてきます。周囲をオギやヨシ群落に囲まれた木づくりのステージのようなこのテラスでは、のんびり昼寝する人、お茶を飲む人、静かにヨガを楽しむ人などがいて、ゆったりした空気が流れています。金ヶ江さんもテラスの最上段でコロンと寝転び、深呼吸をして新鮮な空気を吸い込みながら、まどろんでいました。
「風が体を通りすぎる感覚、虫や鳥が息づく気配。ここでさまざまな動植物に出会うと、壮大な自然のサイクルの中に自分が存在していることを実感します。まるで生物たちの楽園にお邪魔している感覚ですね。とても謙虚な気持ちになります」
「息を吸い込むと、自然界の生命力が満ちてくる。息をゆっくり吐き出せば、日々の疲れが消えて、心のノイズが自然に溶け込んでいく。都会ではなかなか得られないものだと思います」
えのきテラスでのんびりした後は、遠くに小網代湾を望む干潟エリアへ。このあたりには、川が運んできた豊富な栄養分のおかげで、絶滅危惧種が約150種も生息しています。干潟の小さな岩場に目をやると、かわいいチゴガニが何匹も! 根気よく観察していると、両方のハサミをパタパタ振る“求愛ダンス”が見られることもあるそう。
首都圏にありながら、山と森、川がつくり出す湿地や干潟、河口から海までがの道路などに分断されることなくつながっていて、そこで多様な生物が生きる姿を見られる貴重な場所、小網代の森。長年“奇跡の森”と呼ばれてきたのは、河川流域の生態系をこの場所で一気に学べるからなのです。
「ただ歩くだけで森や川と会話している気分になれるのが、小網代の森の魅力です。時間に追われる感覚から解き放たれ、自然界の時刻は空や風が教えてくれる。ここはまさに自然のリズムに還る場所です。次は冬に訪れたいですね」
金ヶ江さんの小網代の森散策おすすめアイテム
「女性が海や川で遊ぶとき、意外に面倒なのが着替えです。CLEAN CLASSのパンツは水陸両用なので、まち歩きにはもちろん、そのまま川や海に入っても大丈夫。旅先でも、ホテルの洗面所でザブザブ洗って干しておけば、すぐ乾くので助かります。
mont-bellのトレッキングフィンガーレスグローブは沢登りや登山時におすすめ。手を保護してくれるから、思いっきり動けます。水辺で遊ぶとメイクも崩れやすいので、肌の潤いは残しつつ洗顔できるLalaskinの白玉ピーリングジェル洗顔を愛用しています」
【小網代の森】
住所:神奈川県三浦市三崎町小網代
京浜急行久里浜線終点「三崎口駅」から徒歩約30分。または①②番バスに乗って「引橋」下車徒歩5分
電話:045-210-4310(環境農政局緑政部自然環境保全課)
※自然保護のため、散策路以外の場所への立ち入りは禁止。ペットは入場できません。キャンプ、火気の使用は不可。
Profile
金ヶ江悦子さん(かながえ・えつこ)
子どもからシニアまで幅広い世代を対象に、ウェルビーイングをテーマにした教育プログラムをおこなう。企業などでの講演、研修も多数実施。2021年青山学院大学大学院にてMBA取得。株式会社Radiance代表取締役。2010年ミス・インターナショナル日本代表。@etsuko_kanagae
〈提供〉
プレミアアンチエイジング株式会社
https://www.p-antiaging.com/lalaskin/
Photo:Naoki Shimoda Text:Tokiko Nitta Edit:KNAX
前回の記事【金ヶ江悦子“SWGsな旅の心得”~忘れていた感覚を取り戻すために必要なこと~】を合わせて読む▶︎