米国では1兆円の事業規模
改正大麻法が昨年末に施行され、医療用大麻が解禁された。大麻は違法薬物のイメージが強いが、それは大麻に含まれるマリファナの主成分THC(テトラヒドロカンナビノール)によるもの。安全性の高いCBD(カンナビジオール)は抗てんかん作用などが認められ、医薬品承認された。
同時に期待されたのがCBD由来の産業用大麻である。先進国の米国では化粧品やサプリメントなどに利用され、1兆円近い事業規模がある。
そこで日本でも産業用大麻ブームがくると期待されたが、まったく盛り上がらない。業界関係者は、「違法グミが流通するなど業界のイメージが悪い上、大企業の参入がなく信頼性に欠ける」と嘆く。
元大物官僚が動き出した
この状況を打開すべく、厚労省、警察庁などの元次官クラスが今年に入って「カンナビジオール安全・安心協議会」を設立した。協議会の黒田岳士専務理事は、「会員を増やし、景品表示法に基づく『公正マーク』を採用するなどして信頼性を高めたい」と狙いを語る。
黒田氏は消費者庁の次長だっただけにノウハウはある。ただCBDには関連団体が5つ以上も乱立し、業者にも一匹狼が多いので、業界の意見をまとめるのは容易ではない。「役所の権威」は通用するだろうか。
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「週刊現代」2025年08月04日号より