2人のお子さんの小学校受験を経験したフリーアナウンサーの青木裕子さんによる、日々の「子どもとの学び」を提案する連載「子育て歳時記」。青木さんが子育てをするなかで、お子さんのために徹底的にリサーチをし、親子で一緒に体験した「学び」の数々を毎月シェアしています。
小学校受験では、季節ごとの“植物”や“行事”、生活力について問われるような試験が行われます。365日様々なところにある「学び」のチャンスですが、慌ただしく暮らしていると意外と忘れてしまいがちです。今回は、子どもの“社会とのつながり”について。万博に行ったことをきっかけに改めて考えた子育てについてシェアします。
そして、この連載に書きおろしマンガなども加えてを改編し、まとめた書籍『3歳からの子育て歳時記』も絶賛発売中です。青木さんが実践してきた「体験」の具体例や、小学校受験の大原先生による月々のアドバイスなどを掲載した、情報満載の一冊となっています。日々のお出かけや、休みの日の参考にもなるのでぜひご覧ください。
万博で考えた、子どもと社会の距離
先日、子どもたちと大阪・関西万博に行ってきました! 事前にたくさんの口コミを見て、何とか7日前抽選や3日前予約も乗り越えて、意気揚々と乗り込んできました。人が多くて暑くて、足が棒になりましたが、百聞は一見に如かず。行けてよかったと思っています。
そういえば、次男が小学校受験の受験生だった夏休みは東京オリンピックが開催されていたことを思い出します。当時、塾の先生に「詳しくなる必要はないですが、日本中が盛り上がるイベントは話題に上がることもあると思うので家庭でも話をしてみてください」と言われたっけなあ。
時事問題対策というとなんだか一気に気持ちがしぼんでしまいますが、試験のためではなくて、世の中の出来事に目を向けるって年齢問わず(幼児から大人まで)大切なことだと思っています。小学生の息子には毎日子ども新聞を読んで、気になった記事をスクラップして、自分なりの考えの礎にしてほしい……なんていうのは我が家にとっては理想であり妄想です(笑) 実際は、バタバタと忙しない毎日の中で、朝の準備をしながらテレビでニュースをつけてみようかとか、みんなが揃った食卓で気になるトピックについて話をしてみようとする程度ですが(それも日々の業務連絡に押されて時間が限られてしまいがちですが)、でも子どもたちには自分は社会の一員であるという意識を育んでほしいと思っています。
また、万博やオリンピックなど世界中の国が集まるイベントは、ニュースでしか名前を聞いたことがない国を身近に感じる機会にもなりますね。毎日の生活に一生懸命になっていると視野が狭く狭くなりがちです。遠くの国で起きていることは、どこか現実味が感じられません。でも、その国の生活を知ったり、人々を見たりすることで、「自分には関係ない」なんて言っていてはいけないと気づかされるのです。
子どもたちにも、視野をぐっと広げて世界を感じる機会を持ってほしいと願っています。(「教科書がないって騒いでるけど、その目の前に置いてあるものは何?」って彼らの視野の狭さに驚愕する日々ではありますが。視野違いですね(笑))
子育てをすることは、社会の一員を育てることという意識を持っていたいと常々思っています。息子たちが、学ぶのは、“お母さんにいい点を取れって言われたから”ではないハズ。私にとっては、そんなことを改めて考えた万博になりました。