あまり大きな話題にはならなかったが、去る12月9日に経団連が発表した『Future Design2040「成長と分配の好循環」~公正・公平で持続可能な社会を目指して~』は、100枚!のスライドを使って、経団連(財界)が描く「2040年にかくありたい我が国の姿」を提示していて、年末年始、もしお時間があれば一読をお勧めする。ここには明確に賛否はあっても国家ビジョンが示されている。「成長と分配の好循環」という言葉は、岸田政権とそれを引き継ぐ石破政権の「新しい資本主義」のスローガンでもあり、その意味での連動性や官民一体となった方向性を感じる。20世紀的な世界把握に資本と労働の対立があるが、資本サイドそのものである経団連が公平や公正を謳い、厚い中間層にこそ資本主義再生の鍵を見出しているのは興味深い。