2020年の大統領選挙で行われた不正について、トランプ大統領が行ったテレビ演説と、これと同時に公表された証拠に関して、前編「トランプ大統領が不正を訴える2020年大統領選挙「バイデンの勝利」にはやっぱり中国の干渉があった可能性」では、中国による選挙干渉について解説した。
主流派メディアはこのうちトランプ大統領に反論しやすい部分についてのみ扱い、トランプ大統領の認識が非常にバイアスの強いものであるかのように扱おうとしたが、実は反論しにくい箇所はスルーしているだけだと見た方がいい。そうした部分を丁寧に扱うと、主流派メディアの報道とは随分違う印象になるのが実際だ。本編では前編とはまた違う部分について解説していく。
「非アメリカ人」有権者は数百万人!?
登録有権者は自国民でなければならないはずだが、カリフォルニア、ペンシルバニア、ニュージャージー、ネバダのわずか4つの州に限っても、約27万8000人の「非アメリカ人」が登録有権者扱いされていたことが、国土安全保障省の調査で明らかになった。ちなみにここで示した「非アメリカ人」とは、必ずしも外国人とは限らない。架空の人物ということもありうるし、ペットが有権者として登録されているなんてこともあったりする。戸籍や住民票がないアメリカにおいては、有権者登録はかなり杜撰なものになっているのが実際だ。
「非アメリカ人」の有権者登録は、全米規模になったら、数百万人規模に膨れ上がっていてもおかしくないだろうが、国土安全保障省に情報提供してくれない州が多いために、正確な実態は連邦政府でもつかめていない。
有権者の身元確認を行うSAVEシステムを積極的に活用しているジョージア、オハイオ、テネシー、テキサス、ノースカロライナ、アイダホ、アラバマ、ミズーリ、ルイジアナ、カンザスの10州では、非アメリカ人の登録有権者数は合わせて2万8000人余りとなっていて、先ほど示した4つの州よりはかなり少ない。
ただ、こちらでもすでに亡くなっているはずの人たちが、40万人以上も有権者登録から外されていないことが明らかになった。10州だけで40万人以上ということからすると、死亡者の有権者登録も全米では恐らく数百万人規模に達すると見るべきだろう。
買われた有権者登録
不正な有権者登録で極めて驚愕の事態が、ミシガン州のマスキーゴン市で起こった。2020年の10月6日に、ある黒人女性によって、8000通から10000通の記入済みの有権者登録用紙が、マスキーゴン市の市役所に持ち込まれたのである。マスキーゴン市の人口は38000人ほどなので、恐らく有権者数は3万人程度であろう。ということは、有権者数の1/3から1/4の数に相当する記入済みの有権者登録用紙が、一人の黒人女性によって一度に持ち込まれたことになる。
多くの人の有権者登録用紙を集めてこれを役所に提出するのは、アメリカでは完全に合法的な行為であるから、このこと自体がおかしいということではない。だとしても、市の有権者の1/3から1/4の数の記入済みの有権者登録用紙を、一人の人が代理で持ってくるというのは、当然おかしなことだろう。
市の職員のアン・マイシュ氏が有権者登録用紙に記載された文字を確認すると、同じ筆跡のものが大量に見つかった。記入された住所を確認すると、住宅にはなりえない高校の住所が記載されていたり、架空の住所が記載されているものがあることがわかった。記載された電話番号が誤りであることも確認された。こうしたおかしさをもとに、これは捜査対象にすべきだとして、10日後の10月16日にマスキーゴン警察署に連絡を行い、マスキーゴン警察署とミシガン州の司法長官事務所が共同捜査を開始することになった。そんなことを知らない女性は、10月20日にさらに新たな2500枚の記入済みの有権者登録用紙を市役所に持ち込んだ。
マスキーゴン警察が初期対応した後に、10月21日に捜査はマスキーゴン警察からより広域の捜査の行えるミシガン州警察に引き継がれた。事件を担当するミシガン州警察の捜査官が女性に尋ねたところ、女性はGBIストラテジーズというところから週に1150ドル(当時の円ドルレート換算でざっと12万3000円程度)受け取って、こうした業務を行なっていたと語った。月給で考えると、当時のレートでも50万円を超える金額だと見ればいい。この女性は地元の人間ではないので、宿泊施設もあてがわれ、レンタカーとスマホも渡されていた。なお多くの登録件数を記録すると、さらにインセンティブとして、プリペイド式のギフトカードなどがもらえる仕組みになっていたと見られている。
ちなみにGBIストラテジーズは2014年から全米各地でこうした運動を展開していた。2020年の選挙運動では、総額469万ドル(当時のレートで5億円)の資金を集めていた。資金の主な出所は、民主党の上院選挙チーム(210万ドル)、民主党全国委員会(103万ドル)、当時の民主党の大統領候補であったジョー・バイデン氏の陣営(45万ドル)など、すべて民主党関連であった。こうしたことから見て、GBIストラテジーズは民主党系の投票促進団体だったと言っていいだろう。
捜査に当たったミシガン州警察は、GBIストラテジーズが複数の州にわたって活動をしている団体であることから、連邦レベルで捜査を行うべきだとして、FBIに捜査を引き継いだ。だがFBIは、なぜかこれを重大な問題として扱わず、偽の有権者登録用紙を持ち込んだ女性を含めて、誰一人起訴することもなく、捜査を打ち切ったのである。
黒人女性が持ち込んだ有権者登録は結局認められておらず、実害は発生していないので、起訴するに値しないという判断なのだが、これはどう見てもおかしいのではないか。女性は自らが不正に記載した偽造有権登録用紙を市役所に持ち込んで、虚偽の有権者登録を行おうとしたのである。あまりにやり方が稚拙だった上に、対応した市役所の職員が生真面目だったために、簡単にバレてしまったが、バレずに登録が成功している事例は、実は結構多いと見るべきなのだ。
なぜ主流派メディアや民主党は問題視しないのか
6月13日公開「【もう「陰謀論」では片付けられない】ロサンゼルス市長選の大逆転劇は『買われた票』が引き起こしたといえるこれだけの証拠」で紹介したが、男性84名、女性36名の合わせて120名の収容しかできないホームレスの収容施設に、その10倍近い1160人の有権者登録がなされているといった事例も判明している。
選挙があると、住んでいない人の名前の郵便投票用紙が勝手に送られてくるケースもある。居住していない人の有権者登録が、居住者に無断でその住所で行われ、それが正規のものとして受理されているからだ。送られた郵便投票用紙を使わなくても、他から郵便投票用紙を入手すれば、居住していない人の名前を使って、なりすまし投票ができてしまう。こうした問題をなぜか主流派メディアや民主党は問題視したがらないのだ。
さらに言えば、女性が持ち込んだ大量の偽造有権登録用紙の中に現れた同一の筆跡のものは、実は持ち込んだ女性の筆跡のものだけではなかった。GBIストラテジーズの他の作業員も関わっていたことが判明している。つまり、この女性が一人だけたまたま特別に倫理観が低かったわけではなく、集団的に関わりがあったことも判明したのである。
また、捜索を行なったGBIストラテジーズの事務所からは、記入途中の有権者登録用紙も大量に見つかっている。個別訪問をして、有権者登録を行なっていない家庭を見つけ、その場で有権者登録を進めてもらって、それを回収するのであれば、有権者登録用紙の記入は完了しているはずである。記入途中の有権者登録用紙が大量にあるというのは、どう見たっておかしいだろう。作業員たちが事務所で記入を進めていると考えないと、記入途中の有権者登録用紙が大量に出てくるという事態は、発生しようがないのだ。こうして見た場合に、トランプ大統領が怒りの告発を行なっているのは、当然ではないだろうか。
議会は抵抗を続ける
トランプ政権は、有権者確認が杜撰な今の選挙制度のあり方を変えるべきだとして、有権者確認を厳格化する「アメリカ救済法(SAVE America Act)」の制定を目指している。この有権者確認の厳格化に対して、アメリカ国民の大半は賛同している。ピューリサーチセンターの世論調査では83%の人が、ギャラップの世論調査では84%の人が賛同を示している。民主党支持者においても7割程度が支持している。民主党上層部は「有権者の権利を不当に制限する」として反対を表明しているが、国民の大半は生活実感を通じて、今の有権者登録の在り方が杜撰すぎると感じているのである。
議会の下院は同法案を可決したが、上院では共和党の議席数は100議席中53議席にとどまっていて、簡単には通過させられない状態になっている。これは絶対に通すわけにはいかないと民主党が考えた場合には、民主党が「フィリバスター(議事妨害)」と呼ばれる手段に出て、採決をさせないことができるからだ。民主党の「フィリバスター」を打破するためには60議席が必要になるが、共和党の議席はこれに及ばない。「フィリバスター」を回避するためには、単純過半数にルール変更することで共和党側の意見を一致させる必要があるが、共和党内の反トランプ派がこれに邪魔をしているのである。
上院の議決がなかなか進まない中で、トランプ大統領は選挙不正に関わる演説を行い、充分な証拠も提出することで、状況を変えることを狙ったと見ればいい。
この「アメリカ救済法」が成立するかどうかは、11月に行われる米中間選挙の行方に、当然ながら大きな影響を及ぼすことになる。この点でも目が離せないのだ。
【あわせて読む】『【もう「陰謀論」では片付けられない】ロサンゼルス市長選の大逆転劇は「買われた票」が引き起こしたといえるこれだけの証拠』
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