子どもの好きな野菜1位は
タキイ種苗が2009年より毎年実施している「野菜に関する調査」、2025年度の「好きな野菜」ベスト10は「たまねぎ」(1位)「トマト」(2位)「じゃがいも」(3位)キャベツ(4位)枝豆(同率4位)とうもろこし(6位)さつまいも(7位)大根(8位)なす(9位)ねぎ(10位)だった。
一方「よく購入する野菜」ベスト5になると、にんじんが入って、枝豆やとうもろこしが下位に回る。野菜を食べる際や購入する際に重視するのは、「価格の安さ(49.3%)」が最も多く、「美味しさ(38.5%)」「新鮮さ(38.5%)」となっている。昨今の物価高騰で、「価格」を重視する傾向が強いのだろう。
だが、対象を子どもにしぼると、その顔触れはまた、変わる。さつまいもが堂々の1位、トマト、とうもろこしが同率の2位、じゃがいも、ブロッコリーがそれに続く。甘みがあって食べやすい、そんな野菜が選ばれている。
子どもに喜ばれることは、野菜料理を作る親にとって、実は大事なことだ。SNSをのぞくと、
「野菜料理って、切るのも下ごしらえも面倒」
「買ったはいいけど、冷蔵庫で余らせてしまう」
「せっかく作ったのに、子どもが食べてくれない」
などという投稿が多くみられる。子どもに野菜を食べさせる苦労がうかがわれる。
だからこそ、子どもの好きな野菜は常備したい。
ところが人気のとうもろこしは、旬の7〜8月という短い時期しか出回らない。子どもが好きで、調理も調味もらくちんな野菜を、家に常備しておけたら……。
そんな願いを叶えてくれる本が、『野菜のいいぶん 誰も教えてくれない秘密のレシピ130』(白崎裕子著/ダイヤモンド社)だ。
そこには例えば、こんなことが書かれている。
「焼いたらすぐ食べないで。寝かせると甘くなるよ」(さつまいも)
「まずは水を1杯、飲ませてください」(とうもろこし、ほうれん草)
「お米を入れたお風呂に入りたい」(大根)
どれもなんとなくはわかるものの、具体的に何をしたらいいのだろう。本書はそれを、明快に語る。野菜の心の声を代弁しつつ、調理法を丁寧に解説してくれるのは、人気料理教室「白崎茶会」を主宰する白崎裕子さん。
「野菜たちのいいぶんを通訳してみました」という本のとおりに調理すると、「味も香りも色も食感も、驚くほどよくなる」。
第5話では、とうもろこしを、かじるとジューシーな、採れたての味に近づく2つのコツを紹介した。
本記事では、前話をおさらいしつつ、余ったとうもろこしの冷凍から使い方までを、本書より抜粋して、お伝えする。
とうもろこしのいいぶん
「半日単位で甘さと水分が減っていくほど鮮度が大切な野菜」とうもろこし。ゆえに白崎さんは「買ってきたら何より先に水に浸けます。たっぷり水を吸わせると、実はパンパンに膨らみ、蒸しても焼いてもシワになりません」。
また、「服を着たまま蒸されると、安心なんだ」というとうもろこしのいいぶんを尊重して、焼く時も、蒸すときも、とうもろこしを裸にせず、皮1枚を残すという。
「皮を1枚残して蒸すとはじけるおいしさに。せいろも汚れません」という利点も。
蒸しとうもろこし
材料
とうもろこし… 3本
塩… 少々
作り方
1 とうもろこしは根元を少し切り落とし、1時間ほど水に浸けておく。
2 皮を1枚だけ残してむき、蒸気の上がった蒸し器に皮を下にして入れ、強火で7~8分蒸す。皮をむいて塩をふる。
*多めに蒸して余ったら、輪切りにして冷凍しておくと便利。
冷凍「蒸しとうもろこし」のいいぶん
「お湯の中で、体の芯からじんわり出るのは甘い夏の記憶」という「いいぶん」に耳を澄まし、出汁はあえて使わない。
使わなくても、甘いだしが十分出るからだ。
冷凍とうもろこしのみそ汁
材料(2人分)
冷凍とうもろこし… 1本分
水… 600ml
みそ… 大さじ2くらい
青ねぎ、かつお節… 各適量
作り方
1 鍋に水、冷凍とうもろこしを入れて火にかけ、沸騰したら弱火にしてやわらかくなるまで煮る。
2 お椀にみそを1人分につき大さじ1くらい入れ、1 の汁を入れて溶かす。とうもろこしもよそい、汁を足し、青ねぎ、かつお節を散らす。
保存メモ
旬が短いので、輪切りにして、冷凍しておくとしばらく楽しめる。蒸したものでも、生でもOK。凍ったまま料理に使える。
「冷凍とうもろこしの芯から甘~いだしが出てきます」といういいぶんのとおり、だしいらず、みそを溶くだけで「夏の名残りのおみそ汁」が完成。実はもちろん、芯からもうまみだしが出てくるとうもろこし。今年の夏は、1杯の水で採れたての味に近づけて、思いっきり楽しみたい。