北海道・ニセコは日本を代表するリゾートとして、国内外から多くの人々が訪れています。建設ラッシュに沸き、海外投資家や一流ブランドが日本のリゾートにマネーを投下する動きが加速していますが、「第二のニセコ」へと成長をを遂げる可能性が高いリゾートは、どこなのでしょうか。高橋克英著『超富裕層に「おもてなし」はいらない 世界の一流が日本に惹かれる本当の理由』(講談社+α新書)より、内容を一部調整のうえご紹介します。
世界基準のリゾートとしてブランド化する条件として、「キラーコンテンツ」があることを大前提に、①外資系高級ブランドホテルの存在、②「幕の内弁当型」ではない、③官主導ではなく、民主導である、④富裕層のニーズを満たす、⑤「消費」ではなく「投資」の観点があるか、という5つの条件を先に示した。これに加え、基準地価など地価動向、別荘やホテルコンドミニアムなど不動産取引の動向、外国人宿泊延数などインバウンド動向、現地訪問調査、今後の開発状況などを勘案し、独自の視点で順位付けしてみた。
これから挙げるトップ10に加え、東日本では、小樽(北海道)、ルスツ(北海道)、蔵王(山形県・宮城県)、那須(栃木県)、日光(栃木県)、草津温泉(群馬県)、軽井沢(長野県)、志賀高原(長野県)、房総舘山(千葉県)、三浦(神奈川県)、箱根(神奈川県)、湯河原(神奈川県)、熱海(静岡県)、伊豆(静岡県)、富士・富士宮(静岡県)、浜名湖(静岡県)などをランキングの候補として検討した。
西日本では、蒲郡(愛知県)、飛騨高山(岐阜県)、伊勢志摩(三重県)、琵琶湖(滋賀県)、南紀白浜(和歌山県)、淡路島(兵庫県)、城崎温泉(兵庫県)、瀬戸内(広島ほか6県)、江田島(広島県)、糸島(福岡県)、湯布院・黒川・別府(大分県)、屋久島(鹿児島県)、奄美大島(鹿児島県)なども候補とした。
「次なるニセコ」として、この先も不動産価格の上昇が見込め、インバウンドや富裕層に選ばれ世界的なラグジュアリーリゾートとして、ブランド化が進む可能性があるリゾート地トップ10をランキングした。その特徴と動向、期待できる理由を、第10位から順に紹介していきたい。
ANAインターコンチも開業
10位「安比高原」(岩手県)
東北新幹線で東京駅から最速で2時間12分、盛岡駅から車で約1時間に位置する岩手県八幡平市の安比高原リゾートは、スキー場やゴルフ場、ホテルなどからなる総合リゾートだ。日本最大級の安比高原スキー場(全21コース、総滑走距離43.1km)は、レモンイエローのホテル、「APPI」のロゴ、うさぎなどのグラフィカルなデザインが、バブル期には一世を風靡した。
2021年からは元アルペンスキー選手の皆川賢太郎氏らにより、安比高原スキー場のリブランディング、新サービスの導入などが進められてきた。例えば、リフト券では、2023年末から日本一高いチケットを謳う「BLACK PASS」(大人3万3000円)が土日祝、1日30枚限定で導入されており、リフトやゴンドラの優先乗車、オープン前の新雪ゲレンデを独り占めし(ファーストトラック)、専用のキャット(雪上車)や山頂ラウンジの利用も可能だ。
2022年2月には東北初の外資系高級ブランドホテル「ANAインターコンチネンタル安比高原リゾート」が開業。同年8月には450年以上の歴史を持つ英国名門校「ハロウスクール」をモデルにした全寮制の「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」が開校している。11歳から18歳までの7学年制となり、高学年では授業料と寮費で年間1000万円を超える。現在はアジアからの生徒を中心に約300人が学び、日本人比率は30%程だという。
安比高原スキー場を含むこれら施設を所有・運営する岩手ホテルアンドリゾートは、この先も商業施設や定住型別荘などを整備していくとしており、インバウンドや定住人口の増加により、不動産価格の上昇も期待できるエリアになりそうだ。
【こちらも読む】『ルイ・ヴィトン出店、高級ホテルも続々…北海道・ニセコに「外国資本」が次々と投資を行うワケ』