世間がまだ気づいていない「大化け」狙い銘柄
高市政権の成長戦略への期待感は、大企業のみならず、新興企業にまで及ぶ。たとえば、量子コンピュータや量子暗号通信といった「量子」分野を手がけるベンチャー企業も多く、もし実用化にまでたどり着いたときには「大化け」も期待できる。こころトレード研究所所長で株式評論家の坂本慎太郎氏は、QDレーザを注目銘柄に挙げる。
「同社は半導体レーザー技術を手がけていますが、高性能の量子ドットレーザーに関する独自技術を保持しているのが特徴です。技術的に難度が高く、通信の高速化や高性能センサーに応用できる可能性を秘めています。期待値が高いことは間違いありませんが、現時点では赤字決算が続いており、思惑が先行していることは否めません。
これが単なる『絵に描いた餅』で終わるのか、それとも実を結ぶのか。投資家には夢と現実を切り分ける目は必要ですが、政策の恩恵を受けて業績がプラスになれば、雲行きが変わる可能性はあります」
「夢のある銘柄」と、その「買い方」
雨宮総研代表で経済ジャーナリストの雨宮京子氏は「バイオ」分野で「夢のある銘柄」と、その「買い方」を指南する。
「スリー・ディー・マトリックスは面白いと考えています。止血材などを展開するバイオベンチャーで、米国事業が好調なため、今期は営業黒字化を達成しそうです。この会社は創薬や再生医療にも取り組んでいて、実現すれば株価は高騰するでしょうが、いつ実現するかはわかりません。
こういった夢のある銘柄は長期投資が前提となります。その場合、NISA口座で割安時に購入し、長く保有するといいでしょう。いったん動き始めたら暴騰する可能性があるので、利益が出たときも非課税であることが大いにプラスになります」
宇宙分野にも大化けの可能性を秘めた新興企業がある。前出のたけぞう氏が言う。
「割り切って投資するなら宇宙分野も面白いと思います。世界最小クラスの超小型衛星を開発・運用するアクセルスペースホールディングスや、小型SAR(合成開口レーダー)衛星を手がけるQPSホールディングスは、リスクを許容できる人であれば投資を考えてもいいかもしれません」
17の戦略分野を俯瞰して見えるもの
重点投資の戦略分野に指定されたものの、高市政権発足以降、株価が軟調なのが、コンテンツ産業だ。
「出遅れている観のあるコンテンツ分野は面白い。たとえば昨年、映画『国宝』が大ヒットとなった東宝は、『ゴジラ』など世界的にヒットする有力IP(知的財産)を複数持っています」(前出・天野氏)
先端技術を食料生産に活用するフードテックの分野でもまだ値上がり余地のある銘柄が散見される。
「意外なところでは、オカムラ食品工業がいい。デンマークで培った養殖技術の知見を活かし、青森でサーモンの大規模養殖を行っています。フードテックの実践者として、地方創生の象徴的な存在を目指している」(前出・岡村氏)
「不二製油は大豆ミートの原料で国内トップ企業です。食料自給率の向上と新食材の普及という文脈で、日本の食に欠かせないピースとなっています」(前出・仲村氏)
後編記事『防災・国土強靭化、宇宙ベンチャー…「地味だがここから成長する」大化け銘柄を一挙紹介』へ続く
「週刊現代」2026年3月16日号より