食のスペシャリスト&グルメに精通する識者で構成される「FRaU Foodies」が、今イチオシの料理やスイーツなどをお届けします。『マツコの知らない世界』に複数回出演経験がある、累計1600食のフライドポテトを食べてきたポテトマニアのポテトマン山下さんがレコメンド。東京・神田のガード下にある人気ガチ中華店の逸品です。
これまでにポテトマン山下さんがオススメしてくれたフライドポテト▶︎
中国東北地方をベースにした料理と自然派ワインを堪能
山下さんがオススメするフライドポテトが食べられるのは「神田味坊」。「言わずと知れた神田のガチ中華の元祖ともいえる、JR神田駅ガード下にある中国東北料理のお店です」
大衆の雰囲気がありながら、本格的な中華料理とワインを提供する店として、2000年に開店しました。
ガチ中華(中国人オーナーの中華料理店)では抜群の知名度を誇り、日本人客も多く集まることから人気が拡大。今では「味坊集団」として、2025年12月時点で14店舗を展開するまでに成長しました。
しかも、それぞれコンセプトが異なるのも特徴。直近では、羊を中心に据えた高級中華レストラン「美羊味坊(びようあじぼう)」を、東京駅至近の八重洲エリアにオープンしています。
「神田味坊」は、グループ1号店。中国東北料理をベースに羊肉要素を加え、親しみのあるメニューを中心にラインナップしています。今でこそ定番になっている「自然派ワイン」をいち早く取り入れていたことでも知られています。
味坊の定番かつ人気のメニューが「ラム肉の串焼き」。中国東北地方の屋台文化を再現した一品です。クミンと唐辛子を中心に独自で配合したスパイスをまぶし、強火で一気に焼き上げます。そのため、外は香ばしく中はジューシー。シンプルだからこそ火入れのうまさで味の差が出るので、ごまかしがききません。
ビールや白酒(中国の蒸留酒)との相性が抜群。その上、串に刺さっているからパクパクと食べ進められ、お酒とのループが止まりません。
「ラムの串焼きなど本場の味を、自然派ワインと共に楽しめる大人気店ですが、こちらの『ジャガイモとチャーシューの香草和え』が驚異的に旨いです」と、オススメのフライドポテトについて語る山下さん。
フライドポテトに、チャーシューの旨みとパクチーの香り、そして黒胡椒。これらが絶妙なバランスでまとまった、呑んべいにはたまらない味です。
「カリカリに揚がった細めのフライドポテトに、同じく細めにカットしたチャーシュー、唐辛子、そして香辛料とパクチーが混ざり合って、フライドポテトでは体験したことのない複雑な味のハーモニーがたまりません。エスニック好きならハマること間違いなし。お酒が進みまくります」と絶賛。
ほか、味坊のオススメが名物の「豚バラ肉と白菜漬け煮」です。
中国東北料理の定番である「酸菜白肉」がベース。乳酸発酵させた白菜(酸菜)のまろやかな酸味と深い旨味がスープに広がり、薄切りの豚バラ肉と合わさることで軽やかさとコクが同居した味わいに。澄んだ塩系スープが、最後まで飲め干せるほどすっきりと仕上げられています。身体をじんわり温めてくれるこの季節にピッタリの一品です。シンプルながら奥行きのある「東北らしさ」を感じてください。
ほかにも魅力的な料理が勢揃い。楽しい雰囲気で本場中国東北地方の家庭料理やお酒がいただけるので、年末年始のムードにも合っています。ぜひポテトと共にお楽しみください。
神田味坊
住所:東京都千代田区鍛冶町2-11-20
電話番号:03-5296-3386
営業時間:11:00~23:00(22:30LO)、土12:00~23:00(22:30LO)、日・祝12:00~22:00(21:30LO)
定休日:なし
https://ajibo.tokyo/
https://www.instagram.com/ajibo_northeasternchinastyle/
PROFILE
ポテトマン山下Potatoman Yamashita
累計1600食のフライドポテトを食べてきたポテトマニア。無類のフライドポテト好きが高じ、2021年に浅草フリッツ・ブルージュを創業、2023年にはベルギーフリッツスタンドbintje. (ビンチェ)を立ち上げ、現在は4店舗の運営代表を務める。また、飲食店やイベント向けのフライドポテト関連のメニュー開発やプロデュースも手掛けている。https://www.instagram.com/potatoman_jpn/
Composition:Seiki Ebisu