【スナック千代子へいらっしゃい #130 自信は「顔」から?】
日本人は諸外国の人に比べて自信がない傾向があるとよく言われますが、全国の20代〜60代の男女300名を対象にした最近の調査(※)でも、「同世代の人と比べて、自分は『自信があるほう』だと思いますか?」という質問に対し、「とても自信がある」「ある程度自信がある」と答えた人は合わせて26%にとどまりました。
一方、「あまり自信がない」(28%)、「まったく自信がない」(14%)を合わせると約4割にのぼり、多くの人が自信がない傾向があることがわかります。
2児の母でイラストーレーターの横峰沙弥香さんも、なかなか自信が持てないことに悩んでいる一人。でも、小学生5年生の息子さんから言われたひと言をきっかけに、目からウロコの気づきを得たそう。
横峰さんが子育ての切なさを、架空のスナック「スナック千代子」のピスタ千代子ママとしてつぶやく 4コマ漫画連載「スナック千代子へいらっしゃい」(毎月第1・3日曜日に配信)。今回は、そのときのエピソードをマンガとともに綴ってもらいました。
※みんなの転職「体験談」。サイト内の「自信についての意識調査アンケート」。集計期間:2025年9月25日~2025年10月12日。集計方法:インターネット調査。回答者:全国の20代〜60代の男女300名(性別:女性168名/男性131名/非回答1名)。
できるように振る舞うと、本当にできるようになる
むやみやたらと実力以上に自分を大きく見せる必要はないけれど、自信に溢れた立ち振る舞いもかなり大切だと思います。
こればっかりは思考の癖なのでどうしようもないことなのですが、私は何においてもとにかく自信がありません。どんなに慣れたこと、得意なことでもまず相手の顔色を気にしてしまい、「ダメだったかも」「うまくいかなかったかも」などと勝手にジャッジしてしまう。その不安も顔に出る。結果、同じくらいの評価でどちらかを選ばなければならないような場面では必ず負けてしまうのです。
逆にそういう場面にめっぽう強いのが10歳の息子、まめ(愛称)です。
彼はいつも背筋を伸ばしてきりっと表情を整え、口元には柔らかい笑みを浮かべている。初めての授業参観ではその堂々とした様子に安心し、勉強が苦手だと口では言いながらも、ちゃんとついていけているじゃないかと胸を撫で下ろしたものです。
でも実際は、先生が何を言っているのか全く理解できずにただホワイトボードの左下の角を凝視していたのだそうで、それを聞いた私は膝から崩れ落ちました。ものすごく出来そうな子に見えたよ!?
息子に堂々とした立ち振る舞いが身についたのは、空手の形の昇級試験を受けたことがきっかけのようです。形の技術だけでなく、道場内外での礼儀作法や稽古への姿勢も総合的に評価されることに気づいたまめは、他の道場生の演技中も背筋を伸ばしてしっかりと「見稽古していますよ」感を演出したのだそうで。
先生から「その姿勢は素晴らしいけど長時間だから足を崩してもいいよ」と言われたときに、身に纏う雰囲気の大切さを確信したんですって。
そして言われたのが、「ママはまず顔がだめ」。顔がだめってどういうこと!? と困惑しましたが、少々しくじったとしても、きりっと「できました顔」をして堂々としていることが大事で、「そういう振る舞いをしていると本当に上手くなるよ」と息子。その言葉に目からウロコがポロッポロでした。
考えてみれば、自信のなさを漂わせていて良いことなんてひとつもないですからね。
仕事の場面だったら相手にも不安を感じさせてしまうし、最悪タチの悪い相手に当たってしまったら搾取の対象にもなり得ます。その点、まめは私よりもずっと生き方が上手そうで安心です。