12月に2つの冠特番が放送決定
13日夜に2時間超の特番『櫻井翔のワンナイトスタディ』(フジテレビ系)が放送された。
同特番は「櫻井翔が話題の場所で徹夜ロケを行う」というコンセプトで今年5月に放送。ホテルニューオータニと大阪・関西万博での深夜ロケが行われたが、第2弾の今回は海上保安庁とUSJがフィーチャーされた。
“櫻井がMCを務める特番”と言えば、今月30日放送の『櫻井翔の一覧ファクトリー~“アレ”全部並べてみた!~』(フジテレビ系)が発表されたばかり。さらに今年の出演番組を見ていくと、これまでとは微妙に違う方向性がうかがえる。
来年3月13日から5月31日まで5都市15公演のツアー日程が発表され、嵐の活動終了が迫る中、櫻井はどんな方向へ歩きはじめているのか。また、業界内では、二宮和也、相葉雅紀、松本潤、大野智にはどのような視線が注がれているのか。それらを掘り下げていくと、国民的グループのシビアな現在地点が見えてくる。
ゴールデン帯のレギュラーMCは微妙
櫻井のレギュラー番組は『news zero』(日本テレビ系)月曜キャスター、『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)MCの2つ。これにさまざまな特番への出演が加わっていく。
まず音楽特番では、7月5日放送の『THE MUSIC DAY 2025』(日本テレビ系)、11月29日放送の『ベストアーティスト2025』(日本テレビ系)。次に報道特番では、参議院選挙が行われた7月20日放送の『zero選挙2025』(日本テレビ系)、8月15日放送の『真相報道バンキシャ!特別編“終末時計”を早める世界のトップたち』(日本テレビ系)など。
その他の特番では、2月2日と6月24日放送の『人生で1番長かった日』(日本テレビ系)、4月5日放送の『SHOWチャンネル大人の社会見学SP』(日本テレビ系)、4月11日と10月3日放送の『ドラマでクイズ!THEキリヌキ』(TBS系)、5月11日放送の『日曜美術館 デザインミュージアムジャパン』(NHK Eテレ)、8月10日放送の『櫻井翔の幸せごぜん~NICE MORNING LIFE~』(BSフジ)でMCを務めた。また、これまで通り来年2月開催の『ミラノ・コルティナ冬季オリンピック』日本テレビ系キャスターも確実視されている。
櫻井にとっての2025年はスタンダードなバラエティから、旅、音楽、報道、アート、スポーツなど、オールマイティなMCであることを印象付けた年だったことは間違いないだろう。
しかし、その評価は特番に限定され、ゴールデン・プライム帯(19~23時)のレギュラー番組におけるMCには至っていない。櫻井と長年の蜜月関係にある日本テレビですら特番のMCに留めるなど、「視聴率や配信再生数を獲れる」という点で盟友・二宮和也ほどの評価を得られていないのは確かだ。
今年は各局のテレビマンと嵐のメンバーについて話す機会が何度もあったが、ほぼ一致していたのは「知名度は国民的タレント」「クリーンなイメージ」であること。さらに「二宮以外の4人はレギュラー番組の単独MCでどこまで数字を獲れるか不安が残る」という見方もほぼ一致していた。
視聴者もスポンサーもタレントにクリーンなイメージを求めるムードが濃くなる中、櫻井に特番MCの仕事が増えたのは自然な流れに見える。
長時間ロケ解禁とtimeleszとの関係
そしてもう1つ、今年業界内で話題になっていたのは、「櫻井がロケに積極的な姿勢を見せた」こと。
『櫻井翔のワンナイトスタディ』は本人が「デビューして間もないころを思い出した」と語っていたほど長時間にわたるロケであり、しかも深夜帯だった。さらに今年、『櫻井信五の鬼スケ旅』(日本テレビ系)という深夜帯の旅番組もスタート。すでに5~6月、11月~12月の2シーズン放送(各6回)され、栃木・岐阜・滋賀・三重での地方ロケが行われた。
同じ日本テレビ系の『東野・岡村の旅猿 プライベートでごめんなさい…』のようにシリーズ化されそうなムードがあり、両番組を見て「櫻井は長時間ロケがOKになった」「今後オファーの幅が広がりそう」とみている業界関係者は多い。
『櫻井翔のワンナイトスタディ』『SHOWチャンネル大人の社会見学SP』を筆頭にまだまだ教養系のロケが多いものの、バラエティの経験は豊富なだけに、来年はトーク系や体当たり系のロケ企画への出演も見られるかもしれない。もちろん報道キャスターとしての資質を損なわない範囲になるが、本人がどこまで出演の幅を広げていくのか。その基準は嵐の活動終了後、徐々に明らかになっていくのだろう。
そしてもう1つ、来年へ向けた今年の動きで象徴的だったのが、『timelesz project』(Netflix)の最終審査で司会を務めたこと。STARTO ENTERTAINMENTの後輩を見守る立場を見せたことで、他グループを含めた“後輩との共演”の可能性が高まった感がある。
特にtimeleszは現在、「民放各局がSnow Manの次にキャスティングしたい男性グループ」と言われているだけに、テレビマンにとって縁の深い櫻井との共演は期待したいところ。実際、6月17日放送の『timeleszの時間ですよ』の初回スペシャルゲストとして櫻井が出演したこともあって、来年はさまざまな番組で絡みが見られるのではないか。
2025年における嵐5人の業界評
さらに忘れてはいけないのが、嵐メンバーとの共演にかかわる動き。長年、冠番組を放送していた日本テレビとフジテレビを筆頭に、嵐メンバーの共演を望んでいる民放テレビマンは多い。
12月に入って『セブンイレブン』のCMで櫻井と相葉が共演。9月に続く今年2度目であり、インタビューでも息の合った会話を見せたこともあってポジティブな反響を集めた。
一方、業界内では「1人では嵐というグループのパワーを視聴者に感じさせられないが、3人以上になればその可能性は高まる」という見方が根強い。嵐が活動休止以降の約5年間、2人以上の共演をしてこなかったことがその背景にあるが、2026年春のツアー終了後は3人以上の共演が解禁されるのか。現実的には2026年秋か2027年春の改編での実現を模索していくのだろう。
現時点における櫻井以外の業界評をあげていくと、二宮は俳優としてもMCとしても別格の存在。すでにキャスティングが最優先されるポジションだけに、嵐の活動終了後も大きな変化は考えづらい。
相葉は出演番組のジャンルこそ異なるものの、テレビにおける存在感や影響力は櫻井とほぼ同格とみられている。さらに前述したCM出演もあって「嵐の終了後は2人の共演が最も多くなるのでは」という見方が強い。
松本は俳優に加えて演出家、プロデューサーとしての活動が有力視されているため、出演作の番宣時以外はオファーが難しいとみられている。ただ、テレビマンの中には「松本さんを動かせれば元嵐メンバーの共演人数を増やせる」とみて活動休止後のアプローチを狙っている人も少なくない。
大野に関しては「活動終了までまったくわからない」「こちらからは手を出しづらい」「そっとしておくべき」などの声があがっている。もちろん出てくれるなら大歓迎なのだが、この約5年間を踏まえると深追いはできないのだろう。
「俳優・櫻井翔」のリアルな評価
最後に櫻井に関する業界内のちょっと意外な声をもう1つ。
近年の“俳優・櫻井翔”は『大病院占拠』『新空港占拠』『放送局占拠』の『占拠』シリーズ(日本テレビ系)の印象が強いかもしれないが、業界内での評価は違うところにある。「『占拠』シリーズの櫻井は求められた役割をきっちり果たしているだけで本来の魅力は引き出されていない」とみる他局のドラマ関係者は多い。
一方で称賛を集めたのが昨夏放送の『笑うマトリョーシカ』(TBS系)。櫻井は「国民から抜群の人気を誇る若き政治家」「笑顔を振りまいているが、周囲で不審な死亡事故が起きている」「有能な秘書や妖艶な母親に操られていて中身は空っぽかもしれない」などの難役を演じ切った。
また、10日まで関東地区で再放送された13年放送のドラマ『家族ゲーム』(フジテレビ系)を見て「やはり“俳優・櫻井翔”は陰やクセのある役が合う」という声もあがっている。
「実は5人の中で俳優としての伸び代が最もあるのは櫻井」とみなすドラマ関係者もいるだけに、嵐の活動終了後、MC業をセーブして俳優業を増やしたとしても驚きはない。
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