全国の出資者が返還を求め提訴
不動産投資商品「みんなで大家さん」を運営する共生バンクグループが断末魔に陥っている。成田空港近くに複合商業施設などを建設する主力商品の「シリーズ成田」が、地主である成田国際空港の「11月末を期限とする賃貸借契約延長の不許可」によって頓挫した。
すでに全国の出資者1191人が出資金114億円の返還を求めて提訴しており、総額約2100億円にのぼる投資商品に影響が及ぶのは必至。約4万人の出資者の民事・刑事の訴訟が相次ぐ大型経済事件となりそうだ。
国家賠償を求める動きも
共生バンクの栁瀨健一代表は今年7月にシリーズ成田の配当が止まって以降、物件売却などで資金調達を進め、配当を再開すると約束してきたが、いずれもうまくいかない。新たな出資金を配当に回す詐欺商法の「ポンジスキーム」と指摘されるのを恐れ、最善の努力は続けるだろうが万策は尽きている。
一口100万円を出資して7%の利回りを得る「みんなで大家さん」は、国交省の不動産特定共同事業法に基づいており、東京都と大阪府が監督権限を持つ。かねて「危ない商法」と指摘されていたのに、都と府の業務停止命令は’24年6月で、以降も販売は継続。監督責任は免れず国家賠償を求める動きもある。
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「週刊現代」2025年12月22日号より