意外すぎる「再就職先」
「あの天野先生が自由診療のクリニックのHPに出ている!」
10月末ごろから、X上では驚きの声が広がっていた。
「天野先生」とは心臓血管外科医の天野篤氏のこと。順天堂大学医学部の特任教授で、「ゴッドハンド」と呼ばれた冠動脈バイパス術の専門家であり、2012年には天皇(現在の上皇)の手術を執刀して一躍有名になった。
2016年には順天堂大学医学部附属順天堂医院の院長に就任し、2021年に教授を退任した天野氏だが、今年1月に銀座で開院したクリニック「RiCarna Clinic」で代表理事を務めている。
美容施術も行うクリニック
「順天堂大学で研究・開発された技術を用いて、再生医療を提供しているクリニックです。設立に関わった天野先生をはじめ、診療にあたる医師たちも順天堂の関係者で、大学とのつながりの深さが見て取れます」(順天堂大学関係者)
同院は保険診療も実施しているものの、メインは自由診療だ。「再生医療×足病治療×美容医療」でアンチエイジングを実現すると謳っていて、二重切開やボトックス注射などの美容施術も行っている。言ってみれば「天皇の執刀医」が、美容外科のクリニックに「再就職」した形だ。
「有名大学の教授であっても、再就職先を探すのは年々難しくなっています。最近は都内の病院でポストが見つからず、リハビリ病院や高齢者施設、地方の診療所などに行き着く人も多い。
そのような状況で自らクリニックを設立できたのは、天野先生の実力と知名度が為せる業。順天堂も再生医療の研究に力を入れていますし、新技術をビジネスとして応用する取り組みの一環なのかもしれません」(同前)
セカンドキャリアも自らの手で切り開いたようだ。
「週刊現代」2025年11月24日号より
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