「こんなに楽しい高校地学、もっと多くの人に学んでほしい!」と想いを共にした地球科学の第一人者とカリスマ地学講師が、「誰もが読んで楽しめる教科書を」と作った『みんなの高校地学 おもしろくて役に立つ、地球と宇宙の全常識』。
今回は、本書の内容から、誰もが知っておきたい知識を問う「高校地学クイズ」を出題!
あなたは解けますか?
Q.星の明るさを表す単位で、地球から見たときの明るさを示す等級を何と呼ぶでしょう?
星によって地球からの距離が違うので、実際の明るさと地球から見た時の明るさは変わります。前者は「絶対等級」、では後者は?
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正解は…
気になる答えはこちら!
正解は「見かけの等級(実視等級)」でした。答えられましたか?
今回は、出題元となった書籍『みんなの高校地学 おもしろくて役に立つ、地球と宇宙の全常識』から、特別に問題の内容を解説している箇所を抜粋して掲載します。
さらに詳しく知りたい方は、こちらもぜひご覧ください。
※下記の文章は、『みんなの高校地学 おもしろくて役に立つ、地球と宇宙の全常識』の内容を抜粋して再編集したものです。
恒星の明るさ
星の明るさを表す単位が等級です。等級は、5等級小さくなると明るさは100倍になります。1等星は6等星よりも5等級小さいので100倍明るく見えます。また、1等級小さくなると、明るさは約2.5倍になります。1等星は2等星よりも約2.5倍明るく見えます。
特に、地球から見たときの星の等級を見かけの等級(実視等級)といいます。太陽の見かけの等級はマイナス26.8等級であり、地球から見ると太陽は宇宙で一番明るい星になります。ところが、星までの距離が近いほど明るく見えるため、太陽が実際に宇宙で一番明るい星とは言えません。
星までの距離によって明るさが変化しますので、本来の星の明るさを比較するためには、星を同じ距離から見る必要があります。そこで、星の実際の明るさを比較するときには、星を10パーセクの距離から見たときの等級が使われています。この等級を絶対等級といいます。
太陽を10パーセクの距離から見ると絶対等級は4.8等級になります。また、北極星の見かけの等級は2.0等級ですが、10パーセクの距離から見るとマイナス33.6等級になります。太陽と北極星を絶対等級でくらべると、北極星のほうが8等級以上小さいので、実際には北極星は太陽よりも1500倍以上明るい星なのです。
距離と明るさの関係
星の見かけの明るさと星までの距離には一定の関係があります。星までの距離が2倍になると、光が4倍の面に広がるため、単位面積あたりの明るさは1/4倍になります。また、星までの距離が3倍になると明るさは1/9倍になります。すなわち、星の見かけの明るさは、星までの距離の2乗に反比例します。
たとえば、100パーセクの距離にある恒星の見かけの等級が6等級であるとき、この恒星を10パーセクの距離に近づけて見ると、距離が1/10倍になりますので、明るさは100倍になります。100倍明るくなるということは、5等級小さくなりますので、10パーセクの距離から見たときの明るさ(絶対等級)は1等級となります。