社会に出てから40か国を旅した、ウーバー配達員ライターの佐藤大輝氏(34歳)がお届けする、コスパ抜群の海外旅行情報「スリランカ」編です。同国はインドの南に位置する島口で、世界遺産のシーギリヤロック(本記事のトップ画)。カレーや紅茶が美味しいことでも有名です。つい最近だと、芸能人のトリンドル玲奈さんも訪れたとか……。円安なんて何のその。2025年現在でも驚くほど物価の安い、スリランカの魅力に迫ります。
片道13時間かかるけど、航空券は往復で4万円
往復航空券の値段は諸税込みで40220円。この破格の安さが、スリランカ渡航を決めたキッカケだ。
航空券は「スカイスキャナー」で検索した。このサイトは国内外の航空会社、旅行代理店が取り扱っている航空券の価格を、一括で比較してくれる。旅人には定番の神アプリで、今回はトリップドットコムでの予約となった。
フライトスケジュールは、関空を9時半に出発。上海空港で乗り継いで、スリランカに19時(現地時間)に到着する。片道13時間のフライト。ここに家から関空までの移動時間、2時間半前にはチェックインカウンターに並んでおきたい願望が加わり、片道約17時間の移動となった。
スリランカのバンダラナイケ国際空港に到着後、2万円を両替。そのお金で、海外SIMカードを購入。料金は20ギガで700円。日本でWi-Fiを借りると1日1000円前後の料金が発生するので、海外SIMは旅人の味方だ。ところがどっこい。設定がうまくいかず、電波が受信できない。
僕は言語設定を英語に切り替えてから、購入した店舗の男性スタッフに「プリーズ」と言いながらスマホを渡した。僕の英語力はTOEIC300点。壊滅的な英語力だが、笑顔で「センキュー」と伝えることはできるから問題ない。
現地空港から市内への移動はタクシー(約2000円)かローカルバス(約200円)の2択。空港からバス停までは徒歩10分ほどの距離があるらしく、今回はタクシー利用した。30〜40分ほどで、ブッキングドットコムで予約した市内のホテルに到着。
お値段は1泊6300円。清潔感があり、ホテルの人も親切で、ウェルカムドリンクまで出てきた。ここ最近、日本のホテル代が高すぎるので、このクオリティこの価格帯で宿泊できると「お得感」で心が満たされる。
僕は日本から持参した「どこでもベープ」を部屋に設置後、ホテルのレストランで念願のスリランカカレーに挑戦した。お値段は700円。ホテル価格なので相場より高いけど、う、うますぎるぜ、スリランカカレー……。
食後は深夜の街を、一人でフラフラ歩いた。街中はネズミや野犬、空中には巨大なコウモリらしき生物が舞っており、旅慣れた僕でも「うわお」と驚いたので、日本人観光客は夜間に出歩かない方がいいだろう。
1万円あれば市内観光は余裕
スリランカ観光の大目玉であり、この記事のサムネイル画像にも載せた世界遺産シーギリヤロックは、首都コロンボ市内から180キロほど離れた場所にある。日帰りにするには厳しい距離のため、街全体が世界遺産に登録されているキャンディ、あるいは世界遺産の寺があるダンブッラと呼ばれる街で、乗り継ぎ宿泊するのが旅の基本戦略となる。
キャンディまでの鉄道チケットは「12Go」というサイトで事前予約していた。エアコン付きの一等車両で、片道約3時間。料金は往復約2500円。出発は15時30分だったので、それまでの時間はフリータイム。
僕は全身に虫よけスプレーを振りかけ、2キロくらいの距離であれば100~200円で移動できる「トゥクトゥク」を使いこなしながら、首都コロンボ市内を駆け足で観光した。
インスタ映えしそうな大樹が生えている公園(無料)。池の上に浮かぶお寺(200円)。東京タワーと同じくらいの高さがあるロータスタワー(3000円)。まるでドバイを連想させる綺麗な海(無料)……。観光代にあまりお金がかからないのは、スリランカ旅行の大きな魅力の一つだ。
途中、小売店でスパイシーなパンとコーラを買った(約300円)。一にも二にも、この国の食べ物はとにかく安い。スリランカの物価は、体感値で日本の1/2ないし1/3くらい。よってお金の心配をせずに観光を楽しむことができる。財布に1万円入ってたら無敵、恐いもんなしだ。
ただし気温は、ちょっと手強い。年間平均気温は27度前後でほぼ一定しており、日中は30度を超える猛暑日もある。水分補給は必須。ちなみにペットボトル入りの水は、街中の小売店で50円前後で販売している。
扉全開で走行する鉄道はスリル満点
今回の旅で最も刺激的だった瞬間は、シーギリヤロックを目指すためにローカル鉄道に乗ったときだ。その鉄道は、なんと扉が全開のまま走行する。日本では考えられない安全性。文字通り、一歩間違えれば大事故が起きる。
ところがどっこい。身を乗り出したり、足をブラブラさせたり……。みんな自由奔放に楽しんでいるじゃないか。負けじと僕もチャレンジしてみたが、楽しさ半分、怖さ半分。例えるなら安全ベルトの付いてない、ビックサンダーマウンテンといったところか。
岩場スレスレのところを走行するなど、正直かなり危ないと感じるシーンが多かった。当たり前だが、何かあった際は自己責任になる。絶対に真似しないでほしい。
駅に到着後、僕はブッキングドットコムで予約した、1泊1800円のゲストハウスへ。部屋には冷蔵庫もエアコンもなく、ちょっぴりショックを受けたけれど、安さの代償だと割り切り、気を取り直して夜ご飯へ。
BARに行き、スリランカの名物ビール「ライオンビール(500円)」を飲みながら、スリランカ料理を2品食べた(各500円)。幸せな気分でゲストハウスに戻り、蚊帳の中で就寝。
120円+50円で約3時間のバス旅
キャンディからシーギリヤロックの最寄り街(ダンブッラ)までは、現地のバスで移動するのが安い。片道2時間弱の道のりを、たったの120円で走ってくれる。
僕は世界遺産の街・キャンディを観光後、午前11時頃にバス停に到着。運転手さんに「ダンブッラ?」と確認しながらローカルバスに乗り込み、車内で料金を支払いチケットを買った。
20分ほど待っただろうか。運転手が現れ、バスが出発。南アジアの蒸し暑い風に当たりながら、100キロ近い道のりを進んでいく(トイレ休憩がないのがネック)。
ダンブッラに到着後、シーギリヤ行きのバスに乗り換えた。料金は片道50円。や、安すぎるぜスリランカ……。
40分ほど揺られ、到着。そこから10分ほど歩いて、チケットセンターで入場チケットを購入(約5000円)。高さ200メートルもある巨大な岩山のてっぺん(ここには約1500年前、王宮が建っていたらしい)を目指し、息をゼエゼエさせながら階段を上っていく。
岩上から見える「木の海」の景色は絶景だった。何時間でもここにいたい……。と思ったのも束の間、遠くの方に灰色の雲、カミナリの音も聞こえる……。
急いで下山した僕は、売店で50円の激辛パンと100円のコーラを購入。来た道と同じルートでゲストハウスへ。そして翌日、大好きな祖国を目指した。
3泊5日、すべてコミコミのお値段は…
最後に、今回のスリランカ旅行にかかった費用と、格安で旅行を楽しむためのポイントをまとめました。参考にしていただければ幸いです。
■スリランカ旅行にかかった費用
・航空券 4万円
・ホテル 1万円弱(3泊5日分)
・観光代 1万円弱
・食事代やお土産代等 1万円弱
=全部で約7万5000円
*期間2025年3月
渡航時の為替レート1円=約1.98スリランカ・ルピー
ビザ必要。ネット申請可。手続き簡単。費用無料。
■個人的なスリランカの印象
オススメ度 ★★★☆☆
物価の魅力 ★★★★★
ご飯の魅力 ★★★☆☆
街の清潔感 ★★☆☆☆
■格安旅行のポイント
・航空券は「スカイスキャナー」で予約
・日本でWi-Fiを借りずに海外SIMを現地空港で購入
・短距離移動はトゥクトゥク、長距離移動はローカル鉄道あるいはローカルバスを駆使する
・お土産は空港で買うと高いので、市内で買っておくこと
*筆者・佐藤さんの知人には海外旅行大好きな「子供部屋おじさん」が…気になる方はもっと読む→32歳正社員なのに「実家暮らし」で海外旅行三昧…「子供部屋オジサン」の気になる年収